戦後70年特別企画 アーサー・ビナード『探しています』

毎週土曜日 早朝5:00〜5:10
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日比谷松本楼・小坂哲瑯さんが紡ぐあの日の東京の姿

皇居と官庁に囲まれた都心のオアシス日比谷公園に開業して112年となる日比谷松本楼。戦前、戦中の政治の舞台となり、戦後はGHQの宿舎ともなったまさ歴史的な場所です。この松本楼で生まれて育ったのが社長の小坂哲瑯さん。小坂さんに、戦前、戦後の日比谷の様々なお話を伺いました。松本楼の2階の窓から見える景色のひとつひとつに長く深い歴史が宿っています。

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2人の後ろに見える大イチョウ。実は枝の先が細くなっているのですが、その謎を小坂社長が解説してくれました。放送では戦争にまつわる話をご紹介しましたが、2人の談義は自然の生態系の話でもおおいに盛り上がりました。歯切れの良い東京言葉を繰り出すダンディな小坂社長と朴訥な?日本語のアーサーさんが窓から見える景色を眺めながら戦前のセミやコウロギ、赤とんぼの思い出など自然をテーマに白熱談義。都心とは思えない時間が流れていました。詳しくは木曜日更新のPodcastで。

アーサーのインタビュー日記

小坂さんの話は日本の権力と庶民の暮らしが重なり合う日比谷公園というポイントの究極の定点観測の物語でした。子供の頃の笑えるエピソードも国家の変化の歴史とつながっています。どういう手続きで学校に通ったのかという話からも当時の日本がどういう状況に置かれていたのかが鮮やかに垣間見えました。ミクロとマクロが重なる多くの話を聞けましたが、僕が一番印象に残ったのは動植物の話です。1世紀の間に昆虫がいかに減ったか、いかに生態系が変わってしまったかという話は動植物に興味、愛情のある小坂さんならではのまさに定点観測です。自然の変化も日本の大きな変化を表しています。過去から学ばなければいけないもう一つの歴史と言えるのではないでしょうか。

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