テレビ番組主題歌

ラジオからテレビの時代になると、三木鶏郎はテレビの番組制作に関わり、番組主題歌も手がけることになった。50年代後半から60年代にその数はピークを迎える。
『うちのママは世界一』『パパは何でも知っている』『スーパーフューリー』『CQペット21』『ミスター・エド』『鉄人28号』『トムとジェリー』『ジャングル大帝』『遊星少年パピイ』『スター千一夜』『遊星仮面』等、タイトルを見ただけで主題歌を思い出される方も多いだろう。

三木鶏郎は生前、主題歌作成の時、歌詞とメロディーが同時に出てくると語っていた。
「ビルの町にガオー 夜のハイウエイにガオー」(『鉄人28号』)や「トムとジェリー 仲良く喧嘩しな」(『トムとジェリー』)等、特にアニメ主題歌に関しては、ポンと口をついて出たようだ。
また当時、番組提供スポンサー名をオープニングまたはエンディングに歌い込んでいるのも特徴的である。グリコの『鉄人28号』、サンヨーの『ジャングル大帝』、旭化成の『スター千一夜』と、リスナーはスポンサー名と歌をセットで記憶することになった。鶏郎は、双方をまさにセットと考え作成したため、レコード化の折、これを切り離すのにかなりの難色を示したそうだ。

『うちのママは世界一』『パパは何でも知っている』等のアメリカのテレビ映画は、日本語版オリジナルとして鶏郎が主題歌を手がけたが、アメリカのTVアニメ『トムとジェリー』には主題歌がなかった。主題歌をつけての放送が日本独自のアイデアであったことも興味深い。
『トムとジェリー』は、1937年に誕生し64年にTVアニメとして日本初放送されてから今年で50年。今でも新作アニメが製作され、多くのファンから愛され続けている作品である。クラシックアニメシリーズDVD「トムとジェリーVol.1-10」には、三木鶏郎作詞作曲の「トムとジェリー」主題歌が収録され、懐かしい歌を映像と共に聴くことができる。

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