石鹸コマーシャルソングあれこれ

1951年三木鶏郎作詞作曲による日本で初めてのコマーシャルソングが発表された後の数年間、多くの企業はその効果のほどを計りかねてしばらくは様子見の様相だった。
しかし石鹸会社はそうでなかった。早い時期から積極的に鶏郎へコマソンの依頼を行っている。そしてそれらすべてが名作である。
「♪ワ、ワ、ワ 輪が三つ〜」(54年作成)のミツワ石鹸。
「♪うぶ湯の時から みんな花王〜」(56年作成)の花王石鹸。
「♪牛乳石鹸 よい石鹸」(56年作成)の牛乳石鹸。
どの作品も印象的なキャッチフレーズと旋律で、子供から大人まで家族皆が口ずさんだ。
上記石鹸3社はコマーシャルフィルムの制作も行い、これもまたそれぞれに個性あるユニークな作品となりコマーシャル効果を上げたのだった。
幸いなことに、私たちは今、その映像を観ることができる。


素材提供:牛乳石鹸共進社株式会社    

牛乳石鹸共進社株式会社は、当時の3番迄あるオリジナルCFを自社に所蔵し、今もなお三木鶏郎作詞作曲「牛乳石鹸の歌」をコマーシャルソングに使用している。
今年創業105年。企業理念の『ずっと変わらぬ やさしさを』には、
「社員一人一人の『やさしさ』が、製品の『やさしさ』につながると信じて、お客様の肌に、こころに、そして環境にやさしい製品を提供し続けたい」
(「牛乳石鹸」HP 社長メッセージより)。

という思いが込められている。
半世紀を共に歩む「牛乳石鹸の歌」をずっと大切にし続ける、その心もまた企業理念に通じるものであろうと感じられる。

57年、全日本石鹸協会が設立された時、先の石鹸3社が実証したコマソン効果からか、協会は石鹸のイメージソングを三木鶏郎に依頼した。鶏郎は、「石鹸リズム」「しゃぼん娘」「ふわりとね」と三曲作成し発表した。
また日本の宣伝効果が轟いたのだろうか。68年、鶏郎は台湾公告公司より招聘され渡航し、台湾のコマーシャルソング第1号「ハッピー石鹸」を作った。

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