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2020.07.14

『文化放送報道スペシャル「戦争はあった」』が日本民間放送連盟賞の東京地区 ラジオ報道番組部門で1位に

文化放送報道スペシャル「戦争はあった」

2020年日本民間放送連盟賞の東京地区審査会の結果が、本日14日に発表され、『文化放送報道スペシャル「戦争はあった」』が、東京地区ラジオ報道番組部門の1位に選ばれました。東京地区で1位となった作品は、中央審査会へと進み、審査の結果は9月に発表されます。


『文化放送報道スペシャル「戦争はあった」』は、東京都内を中心に首都圏各地に存在する戦争の跡地を、アメリカ生まれの詩人アーサー・ビナード氏が訪ね歩き、それぞれの実態を探った特番で、2019年8月28日に放送されました。


番組では、短編作品『戦争はなかった』(小松左京著/1974年発表)に出会ったアーサー氏が、「戦争は本当にあったのか?」「東京のどこに戦争は隠れているのか?」という自身の疑問を解き明かすために、今はビル影に隠れてしまった5つの戦争の痕跡を辿っています。


■第一部:東京・巣鴨プリズン 「絞首台はあった」

光り輝く名前を持つ東京の高層ビル、池袋サンシャイン。しかしそこにはかつて巣鴨プリズンという名の戦犯収容所があった。雑踏の中、東京裁判の戦争遺構はどこにあるのだろうか。


■第二部:東京・成増飛行場 「掩体壕(えんたいごう)はあった」

東京・練馬区の光が丘団地。戦後日本の繁栄を象徴するようなニュータウンはなぜ誕生したのか?そのルーツを辿ってゆくと、路地の隙間に特攻隊員たちが里心を捨てた陸軍の飛行場が今も当時の姿のまま隠れていた。


■第三部:神奈川・相模原陸軍施設 「将校の集会場所は今もあった」

神奈川県の相模女子大、そこには軍都・相模原の中枢が残されている。あまりに対照的な両者、華やかな女子大キャンパスと軍事施設がなぜ共存しているのか。


■第四部:埼玉・文化放送川口送信所 「隠ぺい放送局はあった」

文化放送の送信所は埼玉県・川口市にある。戦前はNHKの送信所だったことを知ってはいても、それが「妨害工作」の発信基地だったことを知っている人間は一握りだ。誰が何を妨害したのだろうか。その事実はどのように隠ぺいされたのだろうか。


■第五部:東京・陸軍中野学校 「スパイの巣窟はあった」

東京・中野。オタクの聖地と呼ばれ若者たちで賑わう街だが、今から75年前も同じ場所をカラスと呼ばれた黒づくめのスーツに身を包んだ若者たちが密やかに歩いていた。そのスパイ養成の虎の穴では天皇批判も行われていたという。事実は小説を超えていた。


審査では、「映像のない音だからこそのスリリングなものがあった。またアーサー・ビナードさんの詩人らしい言葉への鋭い感覚に基づいたコメント、小松左京の小説の効果的な使い方も印象的だった」、「超変化球の歴史振り返り番組」、「声高に反戦をうたうのではなく、こうした番組で戦争を伝えることは大いな意義がある」などと評価されました。


文化放送報道スペシャル 戦争はあった

放送日:2019年8月28日(水) 19:00~20:00

出演者:アーサー・ビナード(詩人)、栗原俊雄(毎日新聞記者)、山本武利(早稲田大学名誉教授・一橋大学名誉教授) ほか

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