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2020.11.02

再生エネルギーの今後 #2『浜松町Innovation Culture Cafe』


自分が使用する電気の生産者を選ぶという発想が面白い「みんな電力」ですが、実際に社長である大石英司さんは、初めにこの事業を思い立った時は、もし電気を買うなら「隣のおじさんからであれば二十円」、「この素敵な女性からであれば二百円」と冗談でぼんやりと思考していただけとのことでした。おばあちゃんから貰った1万円と拾った1万円では意味が違うように、付加価値を伴わせることが出来るのでは無いか。そういった考えから始まったようです。


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毎日使っているコンセントの向こうは必ずどこかの発電所に繋がっている

月々支払っている電気料金は一体誰に支払われているのか、気にしたことはあるでしょうか。環境問題や社会問題を考えれば、コンセントの向こうが火力発電所や原子力発電所の場合、本当にそれで良いのか疑問を抱くこともあると思います。その上で顔の見える電力というコンセプトがある「みんな電力」に魅力を感じることになる可能性は十分にあります。実際に誰が、どのような思いで、どういった状況で電気が生産されているのかを知った方が、ただなんとなく毎月支払っている電気料金をより有意義に使って行くことができます。さらに、各々が最も考えなくては行けない環境問題に対しても向き合って行く必要があります。単なるビジネスとしてではなく、より良い社会を目指す上でも大切なことを実施しており、そういった部分が共感を生んでいるのかも知れません。




2020年10月19日の放送では前回に引き続き、今回ご紹介したみんな電力社長の大石英司さんと、ジェイ・キャスト執行役員の蜷川聡子さんにご参加いただき「顔の見える発電ツアー」から「これからの目標と課題」について熱いトークが繰り広げられました。


顔の見える発電ツアー

大石 契約の特典のようなもので、発電事業者さんのところへ無償でバスツアーに行くということをやっており、実際に生産者さんが、どのような思いで実施されているのか、そういったものを感じて頂くようにしています。発電を実施しているところは地方が多いので産品があり、生産者さんの思いに共感が生じることで、その地域の産品を買っていってくださる方もいます。そういうことを実施していますね。


入山 ブランド化をするにあたって一番良いのは、ストーリーを感じさせることで、一番分かりやすいのがワインツーリズムなんですよね。その場にいって、このワインは、ここの「葡萄」で作られているということを意識して飲むと忘れないんですよね。それを一番初めに電気でやっているのが「みんな電力」なんですね。


これからの目標と課題

大石 気候変動が深刻な問題だと思っており、これに対して一番効果が出るのが再生可能エネルギーを利用することなんです。家庭から出るCo2の半分を占めているのは電気で、実は一番の要因になっているので、それぞれの方に家庭で使用している電気のCo2が、どれだけの排出量であるのかというのを認識して頂いて、興味を持って頂き、変えていって頂くことが一番重要だと思っています。


入山 良いこと尽くめのように聞こえますが課題はなんですか?


大石 業界としての課題ではあるんですが、再生エネルギープランが乱立してきており、倫理的なものがファッションのようになってきてしまっているので、価値が薄れてきてしまう、という恐れがあります。そこをどのような対策を立てて行くかが課題ですね。


浜松町Innovation Culture Cafe

放送日:月曜 19:00~19:30

出演者:入山章栄

メール:innovation@joqr.net

過去回:Podcast


毎週月曜日、午後7時から放送している『浜松町Innovation Culture Cafe』。パーソナリティは早稲田大学ビジネススクール教授の入山章栄さんが担当します。

当番組はさまざまなジャンルのクリエーターや専門家・起業家たちが社会問題や未来予想図などをテーマに話す番組です。自身の経験や考え、意見をぶつけて、問題解決や未来へのヒントを探ります。

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