インターネットで今すぐ聴くradiko.jp
2020.07.27

生産者と消費者の間にあるもの『浜松町Innovation Culture Cafe』


1次産業に携わる生産者、農業や林業・漁業の方々がおり、それを加工する2次産業、そして、それらを提供する3次産業とありますが、これらを独自で纏めて実施する6次産業。様々な6次産業事例が生まれており気になりますよね。


記事リンク

【こちらもおすすめ】
学校を面白くするには


6次産業化のメリット

6次産業の戦略として、まず「誰と実施するか」があります。これは1から3の産業を全て独自で行うのか、あるいは、それぞれの産業と手を取り合い実施するのかを決める必要があります。後者に関しては、これまでと変わらないように思えますが、全員が1つの同じゴールを目指し、ビジョンを共有することに意味があります。共有された明確なゴールに対し、それぞれがどのようにアプローチしていくのか、協力し合う事で、摩擦を減らし、より良いビジネスへと発展させていく事ができます。


そして、6次産業では1産業のみとは違い様々な付加価値をつけ販売する事ができます。それだけでなく、出荷する際に発生する中間コストの削減などが見込め、収入の安定や所得の向上があるとされています。安定化する事で土地に根付く産業として地域活性化にもつながり、幅広く展開する事が容易になります。


生産者と消費者を繋ぐ

消費者は、誰がどのように作ったのか、そういったことに興味を抱くようになった傾向があるように思えます。6次産業では生産者の思いなどを消費者に伝えやすく、農作物の育て方によっては同じ食材であっても「より美味しい食べ方がある」と、関心を抱いている方々へ生産者が呼びかける事もできます。


以前1次産業は「3K」と言われ敬遠されがちな産業でしたが、6次産業化が活発になってきたことによって、そういったイメージも払拭されつつあるように思えます。どの食材も同じではなく、生産者が消費者をどのように思い生産しているのか、消費者がどのようにして生産者へ関心を抱くのか、そういったものが食材自体の価値を変化させ、ただの食材ではなく、地域活性化への糸口になるようなものや、新しい体験の扉へと今後も繋がっていくのではないかと考えられます。




文化放送のラジオ番組『浜松町Innovation Culture Cafe』2020年7月11日の放送では、生産者とレストランを繋ぐ食関連のスタートアップを幾つも立ち上げている連続起業家の菊池紳さんと生産者が消費者まで全てをやってしまおうというロート製薬が運営している「やえやまファーム」の島田洋平さんにご参加頂き、「石垣島で実施されていること」から「循環型6次産業」について伺いました。


循環型の6次産業

島田 循環型というのと、6次産業というのは聞いたことがあると思います。


入山 農業が1次産業で工業、加工するところが2次、流通やサービスをつけることが3次産業というのを纏めて6次産業というものですよね。


菊池 1×2×3=6次産業、1次産業が0であればすべて0になるというものですね。


島田 石垣島にて、日本で唯一有機JASに認定されたパイナップルを無農薬で生産しています。また、周りのパイナップル農家さんから仕入れて、皮ごと絞ったパイナップルジュースを作っており、作成時に出る搾りかすをオリジナルの配合をし、豚の餌としており、その糞尿を畑に返すという循環型を実践しています。


菊池 畜産・農業・加工場を自身で賄うというのは凄いエネルギーを使うためハードルが高いものです。やえやまファームの実施していることは周りの農家さんからも仕入れを行い、石垣島全体での循環となりつつある素晴らしい産業だと思います。


島田 泡盛の作成時に出る搾りかすもあり、これは廃棄する場合、沖縄本島まで船で輸送しないといけないのですが、それをこちらで受け入れて牛の餌や農作物の肥料として撒き、活用しています。


やえやまファーム今後の野望

島田 石垣島で褐毛和種(あか牛)を放牧で生産したいと思っています。


菊池 頭数が少ないのもあり、赤身が強く太りにくい品種で難しいですが出来れば凄いですね。


島田 黒毛和種は世界に誇れるもので、とても美味しいのですが、さらに健康に対してのアプローチを私たちが事業としてやる必要のあるものだと思っています。健康的な赤身でかつ美味しい牛肉を作るというのが野望で、褐毛和種の生産を実施したいと考えています。放牧で草を食べて育つ、それが輸入飼料に頼らない畜産にも繋がります。


浜松町Innovation Culture Cafe

放送日:土曜 18:00~18:57

出演者:入山章栄

メール:innovation@joqr.net

過去回:Podcast


毎週土曜日、午後6時から放送している『浜松町Innovation Culture Cafe』。パーソナリティは早稲田大学ビジネススクール教授の入山章栄さんが担当します。

当番組はさまざまなジャンルのクリエーターや専門家・起業家たちが社会問題や未来予想図などをテーマに話す番組です。自身の経験や考え、意見をぶつけて、問題解決や未来へのヒントを探ります。

twitter ツイート facebook シェア LINEで送る