浜美枝のいつかあなたと

毎週日曜日
 9時30分~10時00分
Mr Naomasa Terashima Today Picture Diary

寺島尚正 今日の絵日記

2021年9月21日 緑と赤と青空と

実りの秋、今年も様々な収穫のニュースが届き始めている。
秋田県では、収穫したばかりの新米を使って、代表的な郷土料理の「きりたんぽ」作りが大館市で披露された。
「きりたんぽ」は、収穫したばかりの新米で、いろりで焼き上げて作るのが最も美味しいのだそうだ。
また島根県出雲市では、露地栽培の柿の収穫が始まっている。
出雲市平田地区では、わせ品種の収穫が9月上旬から始まった。
この時期収穫されているのは「西村早生」という品種。
平田地区の柿の収穫は秋の深まりとともに品種を替えて12月ごろまで続く。
一方、海の幸はどうだろう。
北海道東部の釧路町では、秋サケ漁がそろそろ最盛期を迎える頃。
しかし、今年の水揚げは驚くほど少ない。
通常この時期のサケの水揚げは1日2000匹ほどだが、ある日の水揚げは、わずか170匹。壊滅的な少なさで、漁師も首をかしげている程だ。
その原因は何なのか。専門家はこう話す。
「北海道のサケは春先に海に下るが、春の冷たい水温と、初夏の急激な水温上昇という2つの影響を受けて死ぬサケが非常に多い。急激な水温上昇は地球温暖化による可能性がある」
近年、北海道内のサケの漁獲量は減り続けている。
今年の夏、北海道は記録的な猛暑に見舞われた。成長したサケが戻ってくる3年後以降は、いま以上の不漁も予想されている。
日本では歴史的不漁が続く鮭だが、ロシアやアラスカなどでは豊漁が続いている。原因の1つは、日本の川で産卵する鮭の比率が劇的に下がっていること。鮭は構造的に短期間で豊漁にはなり得ない魚なのだという。
一方で、サケのかわりに定置網にかかっていたのは大量のブリ。
本来、北海道沿岸を回遊するブリは秋の海水温の低下とともに南下するが、海水温が高いためとどまっているとみられている。
最近はサケに反比例するように、ブリの漁獲量が増えている。
北海道の人達は困惑しているらしい。
「北海道でブリなんて取れなかった。ブリを上手に調理して食べられない」
どうやって食べるのがおいしいのか。
出始めは刺身
旬の冬と比べるとまだ脂が乗り切っていないというが、それでも美味しいようだ。
秋も深まる頃にはさらに脂のりがよくなり、焼いても煮てもおいしいという。温暖化で秋の味覚も変化しているようだ。
温帯低気圧が過ぎた日曜、青空の眩しさに目を細めながら旧芝離宮恩賜庭園へ足を運んだ。
コロナ対策の為事前予約が必要だが、インターネットで手続きを済ませ窓口に。
予約の確認、体温測定、アルコール消毒をこなし、園に歩を進めた。
そこには、青空に加え、芝や樹々の緑、曼珠沙華の赤が私を待っていた。
萩の小径では紫の花。池の近くでは百日紅のピンクが夏を残している。
トンボはすっかり見なくなった。
思わず「ふう」と息を吐く。
体内の湿った灰色の息が放出される。
かわりに、少し乾いた透明なエネルギーが取り込まれていく。
「天が高くなった」
ススキの向こうの晴天に浮かぶ白い雲。
季節も少しづつ入れ替わっている。
 緑と赤と青空と
緑と赤と青空と
  お萩色
お萩色
  夏色
夏色
   紅の園
紅の園

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