浜美枝のいつかあなたと

毎週日曜日
 9時30分~10時00分
Mr Naomasa Terashima Today Picture Diary

寺島尚正 今日の絵日記

2023年6月5日 入梅間近

6月2日から3日午前にかけて、台風周辺の湿った空気の影響で梅雨前線の活動が活発となり、四国から東海にかけて、非常に激しい雨が同じ場所で降り続く「線状降水帯」が相次いで発生。
また関東甲信では、初めて「線状降水帯予測情報」が発表された。
関東甲信では線状降水帯発生の発表はなかったものの、2日夜から3日午前にかけて、1時間に40ミリ以上の激しい雨を千葉や東京、埼玉、茨城で観測した。

今回、記録的な大雨となった原因は、「台風2号」と「梅雨前線」だ。
台風2号は、本州の南を陸地からは離れて通ったが、台風周辺から非常に暖かく湿った空気が梅雨前線に向かって流れ込み、前線の活動が活発になった。
そして同じような場所で非常に激しい雨が降り続く「線状降水帯」が相次ぎ発生したのである。
「台風+前線」は「線状降水帯」が発生しやすいため警戒が必要だという。
2018年の「西日本豪雨」の時も「台風+前線」の危険な組み合わせで「線状降水帯」が発生し、大きな被害をもたらした。
線状降水帯とは何なのか。

線状降水帯とは、発達した雨雲が線状にどんどん発生して、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過・停滞することで作り出される、強い雨のエリアのこと。
同じような場所で顕著な大雨が続くことから、甚大な災害が発生する恐れがある。線状降水帯が発生する仕組みの代表的なものに「バックビルディング現象」がある。
これは、風上で次々と発生した雨雲が、発達しながら風に乗って気象庁では線状降水帯を次のように定義している。
「次々と発生する発達した雨雲(積乱雲)が列をなした、組織化した積乱雲群によって、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞することで作り出される、線状に伸びる長さ50~300km程度、幅20~50km程度の強い降水をともなう雨域」

2015年9月に鬼怒川を氾濫させたのも線状降水帯。関東は二つの台風に挟まれる形となり、南側と東側から湿った空気がぶつかり、次々に雨雲を生み出した。
鬼怒川の上流域に当たる栃木県日光市付近では、平年の9月の倍となる600ミリの降水量となった。
既に東京でも過去に被害を受けたと見られている。
2005年9月、杉並区下井草で1時間降水量が112ミリの猛烈な雨を記録。妙正寺川や神田川などが溢水した。
台風からの湿った空気が入り込み続け、同じような場所で断続的に大雨を降らせる線状降水帯が、都内を縦断するように発生したとみられる。

2008年8月には、八王子市や町田市付近で線状降水帯が生じ、1時間に100ミリを超える豪雨となった。
土砂崩れが起きて民家が倒壊したほか、京王電鉄高尾線の高尾と高尾山口駅間で普通列車が崩れた土砂に乗り上げて脱線する事故があった。既に東京でも被害が出ているのである。

積乱雲を生じさせる湿った風が上昇するきっかけは、山だけではなく、異なる向きの風がぶつかり合うことでも生じるのだ。
線状降水帯が発生している場合は、すでに土砂災害や洪水による災害発生の危険度が、急激に高まっている状態である。
自治体からの避難に関する情報を確認の上、早めの安全確保を心がける。
すでに避難することが危険な場合、家の中の、崖や川から離れたできるだけ高い所で身を守るようにするといわれている。

大雨の翌日、とある居酒屋の前を通った。
椅子と共に座布団が店外にだされていた。座布団達は陽の光を浴び気持ちよさそうだった。
東京も梅雨入り間近である。

入梅間近
入梅間近

陽の光拝借
陽の光拝借

紫陽花の時
紫陽花の時

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