
寺島尚正 今日の絵日記
2025年5月12日 今が見頃
5月11日日曜、八王子の最高気温は、午前11時過ぎ26.4度を記録した。
予報を見ると、13日(火)から全国的に晴れて、季節先取りの暑さになりそうだ。
夏日(最高気温25℃以上)地点が続出し、真夏日(最高気温30℃以上)に迫る暑さの所もあるという。東京都心も連日夏日になりそうだ。
まだ体が暑さに慣れていない時期である。熱中症に注意しなければならない。
気象庁は5月8日、関東甲信地方に、「高温に関する早期天候情報」を発表した。
それによると
『関東甲信地方 5月14日頃から かなりの高温
かなりの高温の基準:5日間平均気温平年差 +2.0℃以上
関東甲信地方の向こう2週間の気温は、暖かい空気が流れ込みやすいため高い日が多く、14日頃からはかなり高くなる見込み。農作物や家畜の管理等に注意。また、熱中症対策など健康管理に注意。なお、1週間以内に高温が予測される場合には高温に関する気象情報を、翌日または当日に熱中症の危険性が極めて高い気象状況になることが予測される場合には熱中症警戒アラートを発表するので、こちらにも留意』
とある。
5月に真夏日になること自体は、大変珍しいと言うわけではない。
ただ今回の暑さは、夏さながら高気圧が東から張り出しを強めてきて、気温だけでなく湿度も高くなりやすい気圧配置だという。
実際、予報では雨が降っても25℃以上の夏日の地点がある。
熱中症に十分に気をつけたい。
今年も熱中症に気をつける時期が来る。簡単に説明しておこう。
熱中症とは、高温多湿な環境下で、発汗による体温調節等が うまく働かなくなり、体内に熱がこもった状態をさす。
具体的には、体温が上がり、体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温の調節機能が働かくなったりして、体温の上昇やめまい、けいれん、頭痛などのさまざまな症状を起こす病気のこと。
特に暑さに慣れていないと熱中症になる危険性が高まると聞く。
体が暑さに慣れることを『暑熱順化』というが、暑くなる前から熱中症の対策を知っておく必要がある。
暑熱順化とは、体が暑さに慣れることだ。暑い日が続くと、体は次第に暑さに慣れて、暑さに強くなる。
人は運動や仕事などで体を動かすと、体内で熱が作られて体温が上昇する。
体温が上がった時は、発汗による気化熱や、心拍数の上昇や皮膚血管拡張によって体の表面から空気中に熱を逃がす熱放散で、体温を調節している。
この体温の調節がうまくできなくなると、体の中に熱がたまって体温が上昇し、熱中症が引き起こされる。
熱順化がすすむと、発汗量や皮膚血流量が増加し、発汗による気化熱や体の表面から熱を逃がす熱放散がしやすくなる。
体を暑さに慣れさせることが重要なため、実際に気温が上がり、熱中症の危険が高まる前に、無理のない範囲で汗をかくことが大切である。
暑熱順化には、数日から2週間程度かかるという。
お勧めは、日常生活の中で、運動や入浴で、汗をかき、体を暑さに慣れさせる事である。
例えば、帰宅時にひと駅分歩く、外出時にできるだけ階段を使用するなど、意識して少し汗をかくような動きをしてみる。
目安として、ウォーキングの場合の時間は1回30分、ジョギングの場合の時間は1回15分、頻度は週5日程度である。
室内では筋トレやストレッチで軽く汗をかくことができる。目安として、時間は1回30分、頻度は週5回から毎日。
風呂はシャワーのみで済ませず、湯船にお湯をはって入浴する。
入浴の前後に十分な水分と適度な塩分を補給し、入浴して適度に汗をかくのがお勧め。
湯の温度が高めの場合には時間は短め、湯の温度が低めの場合には少し長めの入浴することが望ましいという。目安として入浴の頻度は2日に1回程度。
今回のように5月でも最高気温が25℃以上の夏日や、30℃以上の真夏日となることもある。
体がまだ暑さに慣れていないため、気温が高くなる日に活動をする際には、屋外でも室内でも自分の体調に注意し、水分補給と適度な休憩をするように心がけたい。
特に注意すべきは子どもと高齢者である。
子どもは汗をかく能力が未発達のため、皮膚の血流量を増加させ、体の表面から周囲に熱を逃がすことで体温を調節している。
子どもは、大人よりも体重に対して体表面積が大きいため、周囲の環境の影響を受けやすく、熱しやすく冷めやすいという体格上の特徴があるのだ。
高齢者は温度に対する感覚が弱くなるため、室内でも熱中症にかかりやすいといわれている。
通常、脳が暑いと判断すると、体は自律的に皮膚の血流量や汗の量を増やして、体内の熱を周囲に逃がそうとする。
しかし、老化が進むとこれらの増加の開始が遅れ、体温上昇に伴う増加の割合も小さくなる。
そのため、高齢者は若者に比べて体の熱を周囲に逃がす熱放散能力が低く、深部体温が上昇しやすくなるのだ。
対策としては
1.「気温や湿度を」計って知る
気温・湿度計、熱中症計などを活用し、今いる環境の危険度を知る事が大切である。
2.「室内を」涼しくする
日差しのない室内でも、高温多湿・無風の環境は熱中症の危険が高まる。冷房や除湿機・扇風機などを適度に利用し、涼しく風通しの良い環境で過ごすようにする。
3.「水分を」計画的にとる
のどが渇く前に、定期的な水分補給をする。
4.「お風呂や寝るときも」注意する
入浴時や就寝中にも体の水分は失われていき、気づかぬうちに熱中症にかかることがある。入浴前後に十分な水分補給をしたり、寝るときは枕元に飲料を置いたりしておくとよいとされている。
5.「外出時」は体に十分配慮する
外出時は、体への負荷が高まることに加え、汗で水分が失われたり、日差しや熱の影響を受けやすくなる。服装を工夫する他、水分や休憩を十分とって体を守る。
6.「周りの人が」気にかける
子供や高齢者は自分で暑さやのどの渇きに気づきにくいうえ、体調の変化も我慢をしてしまうことがある。周りも注意したい。
常に冷たい水を持ち歩くことが大切だ。
自分で気づきにくいので周りが声をかけてあげて意識がしっかりしているかなど気を付けて頂く事が必要である。
熱中症は、条件次第では、 だれでもいつでも発症する危険性がある。
ただし、迅速に、適切な応急処置を行うことで重症化を防ぐことができる。
熱中症の症状には、めまいや立ちくらみ、顔のほてり、筋肉痛や筋肉のけいれん、大量に汗をかく、あるいは全く汗をかかない、頭痛、吐き気、倦怠感、高体温などがある。
このような症状が出たら、熱中症の可能性があるので、早急な応急処置が必要だ。
熱中症の疑いのある人を見かけたら、まずは、意識があるかどうか確認する。
意識がない場合は、すぐに救急車を呼ぶ。救急車が到着するまでの間に応急処置を始める。涼しい場所へ移動し、衣服をゆるめて体を冷やす。
意識がある場合は、涼しい場所へ移動し、衣服をゆるめて体を冷やす。
まず体表面にでている顔、両腕、足などを水で冷やす。
同じ場所を冷たい水で濡らしたタオルで拭いたり、巻き付けて風を当てたりすることも有効だという。
太い血管が流れている場所を冷やすと、効果的に体を冷やすことができる。
応急処置のポイントは、「涼しい場所に移動させる」「衣服を脱がし、体を冷やす」「水分や塩分の補給」の3つのほか、「医療機関への搬送」だ。
これら4つの処置を私達が適切に行うことで、熱中症の重症化を防ぎたい。
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