
寺島尚正 今日の絵日記
2025年5月19日 毎年出て来るこの虫は
18日日曜日は、前日の雨も止み、薄日が差す蒸し暑い日となっている。
洗濯物を干しながら銀色に光るベランダの手すりを見ると、赤いダニの様な小さい虫が落ち着き無く動いている。
例年5月に入ると、家の塀やベランダ、公園の階段などさまざまなコンクリート壁に、体長1mmほどの小さな赤い虫がチョロチョロ動き回っているのを見ることがあるだろう。
真っ赤な姿から、「赤いから血を吸うのでは」「赤い虫を潰したが毒があるのでは」など当初小生も不安を持った。
改めて調べてみた。
専門家はこう話している。
「小さな赤い虫はタカラダニというダニ。タカラダニ類は日本で4属13種が報告されているが、人家付近で一番多く見られるのはカベアナタカラダニだ。北海道から沖縄まで分布している。コンクリートや岩石、煉瓦など乾いた場所を好み、建物壁面によく見られ、花粉や昆虫を摂食する雑食性のダニだ」
と話す。
一番気になるのは、人を刺すことはないのかということである。
結論を申し上げると、タカラダニは人を刺したり噛んだりすることはないが、潰すと赤い体液が皮膚につき、場合によってはアレルギー症状が出る可能性は否定できないそうだ。
他のダニに比べると健康面へのリスクは低いといえそうだ。ただ、潰れて出た赤い汁が衣服につくと、とれにくいとも聞いた。
また、殺虫剤会社は「毎年5月になると、小さな赤い虫について問い合わせが集中するが、5月を過ぎると問い合わせがパタッと止まる」と説明している。
タカラダニの問い合わせが5月に集中するのはどうしてだろう。
それはカベアナタカラダニが毎年春先に卵が孵化し、5月になると成ダニが出現する。
成ダニは産卵後に死亡し、7月になると死に絶えるので、見られるのは5〜7月の期間限定だという。
産卵場所は、屋上や地上敷地の壁面の隙間・割れ目。このような狭い空間は温度や湿度の変化が少なく、アリやクモなどの外敵から身を守れる。
卵のまま夏・秋・冬を越して翌年の春先に孵化するのである。
近年タカラダニをよく見かけるようになったような気がする。
これには、カベアナタカラダニ外来種説があって、そのため近年よく見るようになったという説と、加えて都市化が進みコンクリートやアスファルトで他の虫が住みにくくなる一方で、そういったところが平気なタカラダニが分布を広げるようになったのではないかと推測されている。
保健所によると、コンクリートの建物の外壁やベランダ、屋上などで大量発生した場合は、ホースの水で洗い流すとよいそうである。
また、小さいため、窓や扉が閉まっていてもほんのわずかな隙間があれば室内に侵入することもあるようだ。
駆除方法は、様々な害虫を駆除する総合駆除タイプの『不快害虫用エアゾール』を使用するのを勧めている。
待ち伏せ効果が1ヵ月持続するタイプなら直接噴霧しなくても家に侵入することを防げるそうだ。
ちなみにタカラダニという名前は、子供達がセミを捕っていたとき、セミの体に赤い小さな虫がたくさんついていると金持ちになれるといって喜んだのが由来と言われている。
不快な虫に宝という表現には少々違和感を持つが・・。
紫陽花が咲き始めた。
毎年出て来るこの虫は
雨上がり
水玉
色付き始め
- 5月12日
- 5月19日