浜美枝のいつかあなたと

毎週日曜日
 9時30分~10時00分
Mr Naomasa Terashima Today Picture Diary

寺島尚正 今日の絵日記

2025年6月2日 バザール開催

今年も岩本町・東神田 ファミリーバザールが行われている。

今回は第89回。5月31日・6月1日と翌週6月7日・8日の土曜日曜に開催される。
ファミリーバザールの由来は、岩本町で働く社員やその家族、知り合いの人々を対象とした狭い範囲の家族向けの売り出しだった。
当初は小規模なバザールだったが、瞬く間に「いい商品が安く買える」というウワサが広がり、 回を重ねる度に規模が拡大したと聞く。

岩本町の歴史は江戸時代まで遡る。
徳川家康が江戸に居を定めた後、二代将軍秀忠の時代に外濠の改修が行われ、その事業の一環として今日の神田川が人工的に誕生した。
川筋にあたる土を堤防のように両岸に積み上げ、その土手に柳の木を植えたことで一名、柳原土手通りと呼ばれた。
その土手に沿って古着屋が店を出し、多くの賑わいをみせ、繊維の街として知られる今日の岩本町問屋街の原型がこの頃に出来上がった。
明治・大正を経て、売る商品も着物から洋服へと変わった。
特に第二次大戦後は洋服の大生産地に発展し、その洋服は全国の百貨店や専門店のウインドーを華々しく飾ったという。
神田川脇の和泉橋公園内には、その頃の事情を記した千代田区教育委員会の由来碑が建っている。

やがて、大量生産のもと一部流行遅れの品物や規格外れの商品が数多く出回るようになったため、それらを格安の値段で提供したのがファミリーバザールの始まりである。
それが除々に評判となり、今日では繊維業全盛の頃の面影を町の中で見ることはできないが、年2回開催されるファミリーバザールは、その頃の賑わいを彷佛とさせてくれるのだ。

小生、年に2度開かれる岩本町・東神田 ファミリーバザールを心待ちにしている1人だ。
約40年の歴史があるバザール、もう10年以上通っている。
司会用のフォーマルジャケット始め、カジュアルなセーター、履き心地のよい靴下、有名メーカーのフライパン、出張用のバッグ、傘、日用品、数珠までバザールで入手した経験がある。
良い物を安く手にできた時の満足感は至福の時だ。
何よりも楽しいのは、販売者との会話だ。
私が1つの商品を手にしたとしよう。すかさず「それは値打ち品ですよ!」先方が口火を切る。
一通り話を聞いて別の商品にこちらが関心を示すと、「そちらはね、○○という特徴があって、この値段では中々手に入らないですよ・・」その話を、隣にいた客が聞き耳を立てる。
そして商品が売れていく。
今回はその勢いで洗顔クリームを買った。
その買い物が高値になると、割り引きという交渉も可能になってくる。
これが、またドキドキするのだ。今では、欲しいものがインターネット注文により比較的安値で手に入る。
それはそれで満足感はある。
しかし、バザールで「掘り出し物」を見付け、少し勉強して貰った時の喜びの方が、私にはさらに大きいのである。
さて店によっては行列も出来ている。
今回は「三陸わかめ」販売に多くの客が並んでいた。

バザールにはありとあらゆる品物が並んでいるのだ。
見るだけでも楽しい。小生、今回もう1度覗こうかしら、と考えている。


バザール開催
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ワカメが人気
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スタンバイ中
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川をのぞむ
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