
寺島尚正 今日の絵日記
2025年6月30日 夏の花を見上げる
27日金曜に気象庁は西日本各地の梅雨明けを発表した。
平年と比べて18日から22日早い。このまま確定すれば、九州南部をのぞいて気象庁が統計を取り始めてから最も早い梅雨明けとなるという。
どうしてこれほど早い梅雨明けの判断になったのだろうか。
専門家は「この時期の日本の天候は、南アジアから東南アジアにかけての積乱雲の活動に大きな影響を受ける。この先、積乱雲の発生が多いと見込まれていて、積乱雲の発生が多いと水蒸気が水に変わる過程で熱を出して大気をより暖める。そうすると大陸の上空にあるチベット高気圧のパワーが強まって日本付近に張り出してくる。この影響で上空の偏西風の流れが北へ押しやられ、太平洋高気圧も強まって、日本はより暖かい空気に覆われやすくなる」と説明。
誤解を恐れずまとめれば、日本列島西側のチベット高気圧が、この時期もう少し大人しいはずなのに、今年は元気で、その影響で偏西風が上に押され、東側にある太平洋高気圧も出張ってきてダブルで暖かい空気に覆われている状態だ。
こうした状況が西日本では2~3週間続きそうで、3週間続くと平年の梅雨明けの時期を迎える。
そこで今回このタイミングで梅雨明けを判断したようである。
西日本は異例の早い梅雨明けとなったが、関東はどうなのだろう。
調べてみると、東海や関東甲信から東北は7月3日(木)頃にかけて、湿った空気や上空の寒気などの影響で大気の状態が不安定。局地的に激しい雨が降るゲリラ的な降り方となるという。
その後は晴れる日が多く、7月上旬には梅雨明けする予想だ。
東海や関東甲信の梅雨明けの平年は7月19日頃、北陸は7月23日頃、東北南部は7月24日頃、東北北部は7月28日頃のため、こちらも平年よりかなり早い梅雨明けとなりそうである。
梅雨末期に多く見られる大雨だが、では今年はないのだろうか。
こちらは、梅雨が早く明けたからといって、この先全く大雨が降らないことは無さそうである。
一時的に短い期間、前線が再び現れ、前線に向かって湿った空気が流れ込んで雨を降らせることもあるのだ。
これから本格的な台風のシーズンも迎える。
その台風だが、南の海上は台風や熱帯低気圧の発生しやすい状況となっていて、日本の気象予測モデルでは今後、台風や熱帯低気圧が発生すると予測するものがあるようだ。
アメリカ海洋大気庁(NOAA)の予想でも日本の南の海上は7月8日頃にかけて台風や熱帯低気圧が発生する確率が高めと予測されている。今後の動向に注意が必要である。
ところで、 6月は猛烈な暑さの日が続いている。
東京都心の気温は、29日(日)も午前9時前には30度に到達し、これで6月の真夏日日数は12日目となり、1875年の統計開始以来、6月として最多記録を更新した。
去年までの最多は1894年と1979年の10日だった。
気象予報士の中には、関東も実質梅雨明けした状態にあり、今後も途切れることなく真夏日は続く見込みだと指摘している人もいる。
真夏日100日(約3ヶ月)時代が到来してもおかしくないのである。
今後も全国的に気温がかなり高い状況が続く見込みで、気象庁は高温に関する情報を発表し、熱中症などへの注意を呼びかけている。
この先1週間は、連日、真夏日が400地点以上となり、猛暑日も50地点以上の日が多くなる予想だ。
そのため、熱中症の搬送者数は更にグッと増えるおそれがある。
ところで、総務省消防庁は、熱中症の発生場所で一番多いのが「家の中」で、全体の4割にのぼると、室内熱中症に注意を呼びかけている。
原因として挙げられるのは、思いがけない室温の上昇である。
室内では湿気や熱気がこもりやすく、自分たちが思っているよりも室温が上がってしまう場合があるのだ。
熱中症になるリスクを未然に防ぐためにも、室内で熱中症になりやすいタイミングを知っておいて欲しい。
まず、昼間。最も気温が高まる昼は、室内にいても熱中症になる可能性が上がる危険なタイミングだ。
リビングなどでリラックスしている時こそ注意が必要で、同じ部屋でずっと過ごしていると室内の温度上昇に気づけない可能性がある。
室内の温度が常にわかるよう、室温計を置く事をお勧めする。
次に、お風呂場や洗面所といった湿気のある水回り。
ここは、家の中でも特に高温多湿になりやすく注意が必要だという。
最近は、湯船につかりながらスマートフォンを使う人も増えていて、気付かないうちに体温が上がっていることもある。入浴前後の水分補給は欠かさない事がポイントである。
そして深夜。夜間、就寝中も熱中症の危険がある。
夜になり日が落ちても、気温自体はそこまで急激に下がらないことが要因だ。
防犯上の観点から寝室は窓やドアを閉めることが多い。
そのため、気密性が高まり室内温度が上昇してしまうのである。寝る前の水分補給と併せて、通気性の確保や冷房をつけるなどして環境を整えるようつとめたい。
街を歩けば、夏の花が元気に咲き始めている。
暑い夏が今年もやってくる。
夏の花を見上げる
夏の色
涼やかな色にホッとする
区民プールもスタンバイ
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