
寺島尚正 今日の絵日記
2025年8月25日 熱気漲る少し前
8月23日、24日と東京都新宿区にある住友ビル三角広場で行われた「高校生ボランティア・アワード2025」で司会のお手伝いをしてきた。
高校生ボランティア・アワードは、全国の高校生が日頃から続けている「ささやかで偉大な活動」を応援するプロジェクトだ。
さだまさしさんが設立した公益財団法人「風に立つライオン基金」が主催している。
その「風に立つライオン基金」はこう記されている。
「私たち風に立つライオン基金は、平和や命を守るために、あるいは困っている人を助けたり、勇気づけたりするための活動のすべてを素晴らしい行為であると考え、そのすべては称賛に値すると、心から信じます。
そこで、日々地道な奉仕活動を実践する高校生の"発表・交流の場"として、2016年に高校生ボランティア・アワードを創設しました。
目的は、互いの活動に対する理解を深め、連携し助け合い、切磋琢磨する次代を拓き担っていく生徒の皆さんが社会に対してどんな行動をすべきかを考え、人のために行動することが自分自身の成長につながることに気付く、そんな強くてやさしい心を育んでほしいと願っています。」
高校生ボランティア・アワードは、今回10回目を数え、内閣府や文部科学省の後援を得たボランティア活動の全国規模の交流会である。
活動の規模や内容の優劣を競い合う「大会」とは違い、学校や活動分野の垣根を越えて交流し、お互いの活動の理解を深め、連携し助け合い、切磋琢磨してもらうことが目的なのだ。
開会式で大会委員長のさだまさしさんは
「それぞれ自分たちの活動を、おそらく、孤独に一途にやってきた人が多いと思います。
大人たちの反応が薄いということで、いら立つこともあるかと思います。
ですが、ボランティアをやるということは尊いこと。
ここには同じようにボランティアをやろうという思いがある人が集まっています。
皆さんは、こんなに凄いことをやっている仲間が一杯いるんだということを確認して帰ってください。
この場がいい交流の場になることを期待しています。
高校生から次の段階に行ってもその心が潰されていかないことを願っています」
と高校生たちに話した。
その後、交流会となり、各ブースに散っていった。
それぞれのブースでは、目を輝かせながら、高校生達がブースを回る入場者に話しかける。
それは「自分達の活動を1人でも多くの人に知ってもらいたい。決して評価されたいのではなく、世の中の問題に対して、こんな活動が役に立っているのですよ」という思いからなのである。
足を止めると勢いよく話し始める。
その熱い話を聴きながら、自分の高校生時代を思い出してみた。確かに「誰かの役に立ちたい」という気持ちはあった。
しかし、それに向かって一歩踏み出す「志」や「勇気」は出てこなかった。
それがどうだ、目の前に居る彼等彼女達は、すでに踏み出している。
この大会は、そんな温かい「志」や「勇気」を応援しているのである。
日本人にとってボランティアの概念は近年変わりつつある。
災害は勿論、社会的弱者や住環境に対して、自分に出来ることをするのは当然だと考え、自然にボランティア活動を行う若者が増えたという。
そんな考え方は日本の未来ヘの希望だと感じる。
「私には何が出来ているだろう・・」自分に問いかける良い機会となった。
そして、高校生達から元気を貰った。
閉会式、ステージに夕方の陽射しが注いだ時、一匹の赤とんぼが司会台の近くに飛来した。
私だけが見たスペシャルゲストだった。
猛暑は未だ続きそうである。
熱気漲る少し前
ブースの分だけ未来が見える
茜色に溜息
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