
寺島尚正 今日の絵日記
2025年10月6日 小さい秋みいつけた
10月になった。
10月は「神無月」とも呼ばれ、日本らしい伝統や気候の変化が象徴される月である。
「神無月」は、全国の八百万の神が出雲大社に集まるため、他の土地には神がいなくなる月と考えられてきたことからこの名が付いたと聞く。
出雲地方では逆に「神在月」と呼び、神々が集う月とする。
別の説として、「無」は「の」の意味の連体助詞で、「神の月」ともいわれる。
ところで、30年前の10月と比べれば、今の10月は、気象面で平均気温の大幅上昇があり、2024年の10月は30年前(1990年代)に比べて全国的に約2℃も高い記録的な高温になった。
かつては10月に30℃を超えるような真夏日は非常に稀だったが、今では各地で観測史上最も遅い真夏日が記録され、寒暖差も大きくなっている。
10月5日3時に小笠原近海で台風22号が発生した。
中心の気圧は1002ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は18メートル、最大瞬間風速は25メートルで、中心の北東側330キロ以内と南西側220キロ以内では、風速15メートル以上の強い風が吹いている。
台風は発達しながら、5日は小笠原諸島の南海上をゆっくり西よりに進み、日本の南に進んで、その後は、日本の南を西よりに進むとみられている。
一方10月の台風は、日本付近で急に向きを変え、本州に近づくケースがあるとの特徴を持つといわれる。
台風22号の今後の進路に注意が必要だ。
秋の台風はフィリピン付近や南シナ海ではなく、比較的日本列島の南海上で発生しやすくなる。
また海面水温は、3カ月ほど遅れて上昇、下降を繰り返す。
今年の酷暑を考えれば今太平洋上の水温はピークの高温になり、台風の発生場所になっていておかしくないのである。
台風の進路は、太平洋高気圧の勢力範囲や偏西風の位置によって決まる。
秋になると、太平洋高気圧は徐々に南へ後退し、南の海上から放物線を描くように日本付近で東寄りに進路をとるように変わってくる。
先月後半に発生した、台風18号や台風20号、台風21号は、南の海上で発生したあと西よりに進み、日本から離れたが、一般的な10月の進路は、太平洋高気圧の勢力が弱まり、偏西風が南下するため、日本付近で急に進路が変わり、接近するケースもたびたび見られる。
近年では東日本一帯に甚大な被害をもたらすなど大きな爪痕を残した2019年台風19号(令和元年東日本台風)や伊豆諸島に大規模な土砂災害をもたらした2013年の台風26号があげられる。
台風が近づくにつれて、大雨のもとになる暖かく湿った空気が流れ込むので、雨が続いて、土砂災害が発生する恐れがある。
また農作物の収穫期と重なりやすく、稲や果物などの農業被害が大きくなりがちである。
夏に比べて空気が乾燥し始めるため、台風通過後は急に気温が下がることもある。
改めて土砂災害から身を守るには、2つの情報をチェックするのが良いという。
1つめは、住んでいる場所や今いる場所が、土砂災害が発生しやすいかどうか、確認すること。
都道府県や国土交通省のホームページを見て、「土砂災害警戒区域」や「土砂災害危険個所」となっていれば、土砂災害の恐れがある。
ただ、土砂災害警戒区域でなくても、近くに崖がある所は、注意が必要である。
2つめ、雨の情報を確認すること。パソコンやスマホで、雨雲レーダーを見ると、雨雲の様子を確認できるし、気象庁のホームページでは、「どれくらい雨が降ったか」という情報のみでなく、「土砂災害警戒情報」が発表されている所もわかる。
土砂災害警戒情報が発表された場合、自治体からの避難指示の発令に特に注意しながら、安全な所へ避難する事をお勧めする。
さて、台風22号はしばらく西に進む見通しだが、この後ほとんど停滞する見込みだ。
ほとんど停滞とは、「時速10キロ未満で進行方向が定まらない」ということを表している。
風の流れによってはその後本州方面へ進んでくることも考えられる。早めの台風への備えを進めるとともに、最新情報の確認が大切である。
ことしは、10月になっても、太平洋高気圧の後退が遅れている。
台風22号は、太平洋高気圧が強い間は本州付近には近づきにくい状態だが、今後、太平洋高気圧が弱まり、気圧の谷が南下するタイミングで、台風の進路が変わる可能性があるという。
コンビニやスーパーなどでは、ハロウィーン関連の商品が並ぶ。
「トリック・オア・トリート!」と子供達が元気に叫べるよう、どうか強い風も雨も、みんなの笑顔を奪わない優しい秋であって欲しい心から願う。
台風がもたらす災害がなく、平和で楽しいハロウィーンが迎えられますように。
小さい秋みいつけた
延長戦
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