浜美枝のいつかあなたと

毎週日曜日
 9時30分~10時00分
Mr Naomasa Terashima Today Picture Diary

寺島尚正 今日の絵日記

2025年10月27日  秋進む

相変わらず「クマ」に人が襲われる被害が後を絶たない。

26日は、朝、秋田県鹿角市の自宅の敷地内で野菜を洗っていた80代の女性が、背後からクマに襲われ、ひっかかれた。
女性の叫び声を聞いて、夫が駆けつけたところ、クマ1頭がその場から立ち去るのを見たという。
同じく26日午前、富山県南砺市の住宅の庭で柿を収穫していた75歳の女性が、クマに襲われ、怪我をした。
秋田市中心部の千秋公園やその周辺で、25日から26日朝にかけてクマの目撃が相次いでいて、警察が公園への立ち入りを規制するなどして警戒を呼びかけている。
9月末時点で死傷者は108人に上り、10月に入っても増加傾向が続いている。

この秋、首都圏でもクマの被害や目撃情報が急増している。
人が多い都市部の住宅街でクマが目撃されるニュースも、もはや珍しくない。
東京では、多摩地域(あきる野市や青梅市)の山林沿い住宅地でツキノワグマの目撃例が増え、今年4~7月で都内だけで126件目撃が報告された。​

クマが住宅の庭、スーパー近くにも現れるケースが発生している。
特に奥多摩、檜原村、あきる野市、青梅市、八王子市西部などが要注意地域との指摘がある。
神奈川県は、丹沢山地周辺(秦野市、厚木市、相模原市北部)で定期的な目撃報告。
埼玉県は、秩父市・飯能市周辺で目撃件数が急増している。​
住宅地や農地、学校付近で発見例が相次ぎ、自治体が警戒呼びかけを継続中だ。

原因は、秋のどんぐり不作や気候変動の影響で、都市近郊までクマが餌を求めて降りてくる例が急増している。​
目撃地域では「ゴミ置き場」「果樹」「畑」など食物へのアクセスが被害拡大要因となっている。
専門家は、今後も秋深まるにつれ首都圏の「市街地侵入・人との遭遇」はさらに増える恐れがあり、特に森と住宅街接点では十分な注意が必要としている。​
首都圏でも山沿い地域だけでなく住宅地での出没が現実化しているため、自治体の最新注意情報を随時確認することが推奨されている。

専門家は「25年は都内にもクマが頻出。最も目撃情報が多いのは『檜原村方面』で、秋からは南東の『高尾山方面』にシフトしてきているのが見逃せない」と指摘。
「さらに首都圏の中心部へクマが出ていくとなると、『神奈川県丹沢方面』から、東京の西部へつながる『多摩丘陵』がそのルートになる」と推測する。

動物用のエサの臭いと、交尾期のクマの臭いが 野生のクマを誘う一因になるという。
このルート周辺には、緑地の多い「大学の敷地」や「多摩動物園」がある。
近年、各地の動物園でクマの侵入と、飼育動物やスタッフ、人との接近が起きているのだ。

クマに遭遇しないための最も効果的な方法は、「人の生活圏をクマが来づらい環境にする」ことと、「人がクマの行動域に不用意に入らない」ことだという。
​クマに襲われないためには、「遭遇前の予防」「遭遇時の対応」「習慣的管理」の三段階で行動を整えることが最も効果的とされている。
環境省・熊森協会・登山安全団体などの指針を総合したポイントを記しておく。​


1.遭遇を避けるための行動

クマの活動時間を避ける・・
クマは明け方と夕暮れの薄暗い時間帯に活発に動くため、この時間の登山・農作業・散歩を避ける。​

音で存在を知らせる・・
鈴・ラジオ・手拍子などで"人間がいる"ことを伝える。
近年は「慣れた個体」が増えたため、熊鈴だけでなく複数の音を組み合わせて断続的に出すのが推奨されている。​

においを断つ・・
食料・調理残渣・甘い香りの化粧品やリップも匂いの原因になる。登山や屋外活動時は防臭パック使用が有効。​

クマ出没情報を事前確認・・
自治体や警察、防災アプリで直近の出没地を把握。


「たぶん大丈夫」という判断は禁物なのだ。​


2.遭遇してしまったときの身の守り方

静かに距離をとる・・
クマが気づいていなければ、背を向けずに後ずさり。
気づかれても叫ばず、威嚇せず、徐々に遠ざかることが最善。​

攻撃される直前の防御・・
クマ撃退スプレー(カプサイシン入り)は顔面・鼻先を狙って10m以内で使用。風向き確認が必須。持っていない場合は棒や傘を持ち、できるだけ「体を大きく見せる」。

万一襲われた場合・・
逃走せず、地面に伏せて頭を腕で覆い、うつ伏せ姿勢で急所「首など」を守る。クマが去るまで動かないことで被害を最小化できる、とのこと。


クマの平均的な冬眠は例年11月下旬~翌年3月頃だが、暖冬の影響と積雪量の減少により遅れがちになっている。
2024~2025年の観測では、クマの一部が12月に入っても活動している地域(青森・秋田・長野など)が確認されている。
秋のドングリやブナの実が凶作だと、脂肪を蓄えられず眠れない。
積雪が少ない暖冬では、巣穴の気温が下がりきらず、うとうと睡眠のまま覚醒するケースもある。
岩手大学の研究では、暖冬と食料不足が続くとクマは年間活動型へ適応的に変化する可能性があると報告されている。​

何とも悩ましい状況になってきている事だけは事実のようで有る。

秋進む
秋進む

自販機も温もりの装い
自販機も温もりの装い

この幟にクマは何を感じるのか
この幟にクマは何を感じるのか

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