
寺島尚正 今日の絵日記
2025年12月1日 眩し過ぎる存在
ヨーロッパの大手航空機メーカー、エアバスは11月28日、主力のジェット旅客機A320シリーズについて、強い太陽の放射によって飛行を制御する機能に必要なデータが破損する可能性があり、機体に対策を講じるよう航空会社に要請した。
この不具合を受けて、全日空は、保有するエアバスのA320型機とA321型機のあわせて34機で機体システムのソフトウエアのアップデート作業が必要となり、29日国内線の95便が欠航したと発表した。
ロイター通信によると、10月30日に、アメリカのジェットブルー航空が運航する、エアバスA320型機の機体が、メキシコからアメリカ東部に向かう途中、高度が急激に低下する事故があり、機内では複数のけが人が出て緊急着陸した。
エアバスからの緊急通報によると、A320型機で予期せず機首が下がり、一時的に高度が低下する事案が確認された。
機体の主翼や尾翼にある「動翼」と呼ばれる翼を制御するコンピュータが意図せずに動く可能性があることがわかったという。
エアバスA320シリーズは、1988年に運航が開始されたジェット旅客機だ。
燃費効率が高く、ことし3月時点で1万2000機ほどが航空会社に納入されている。
ソフトウエアの改修などの対策を講じる必要があるのはおよそ6000機で、改修は通常4時間程で終わるものの、1000機ほどはハードウエアの交換が必要で影響が長引く可能性があるという。
こんなニュースを耳にすると、私達は、太陽の恵みと同時に太陽フレア(太陽面爆発)の影響も受けていることを実感する。
太陽からの電磁波や放射線の影響は、「時々、乱気流の塊が宇宙から飛んできて、飛行機や電子機器を揺さぶる」様なイメージだという。
例えば、普段は太陽光という「穏やかな風」が地球を照らしていて、飛行機も電子機器も問題なく飛んだり動いたりしている状態である。
ところが太陽フレアなどが起きると、急に強い突風や砂嵐のような「宇宙の嵐」が吹きつけ、空高く飛んでいる飛行機の乗客は余分に放射線のシャワーを浴び、機体の中のコンピュータには「砂つぶ」が入り込んだ様に、データの一部が一瞬だけ書き換わってしまうことがある。
地上では分厚い空気と地磁気という「防風林」に守られているので影響は小さい一方で、高度の高い飛行機や宇宙空間の衛星は、防風林の外で直接この嵐に晒される為、電波障害や、機器が一時的に誤動作しやすくなる。
太陽嵐で降り注ぐ高エネルギー粒子が機内の電子機器に入り込むと、コンピュータのメモリのビットが一瞬だけ書き変わる「ソフトエラー」が起き、計器表示が瞬間的に不正確になる可能性が出てくるのだ。
ところで、太陽フレアの影響は、地上でクラス私達にどんな影響があるのだろうか。
結論から言うと、地上で普通に生活している人への健康影響は現在のところほとんど心配ないという。
理由は、地球の磁場と大気が強いバリアになっているからで、地上にいる人の健康に明確な悪影響が出たという報告はない。
ただし、高高度を長時間飛ぶ航空機の乗員・乗客や宇宙飛行士は、太陽フレア時に通常より多くの放射線を浴びる可能性があるため、ルート変更などでリスクを下げる運用が行われている。
一方、通信・電力・衛星などは、かなり具体的なリスクが想定されている。
強い太陽フレアは電離層を乱し、短波通信の途絶(デリンジャー現象)、衛星放送の一時中断、携帯電話やインターネット回線の障害などを引き起こす可能性がある。
過去には大規模フレアが原因とみられる衛星放送の数十分の中断や、短波・航空無線の障害などが実際に報告された。
電離層が乱れるとGPS信号の伝わり方が変わり、位置情報の誤差が大きくなる。
その結果として、航空機や船舶の航行、カーナビやスマホ地図、精密な測量や農業機械の自動運転などに支障が出るおそれがあり、交通の遅れや事故リスクの増大が懸念されている。
太陽フレアに伴う磁気嵐で、送電線などに不要な電流(地磁気誘導電流)が流れ、大規模停電や変圧器の故障につながる可能性がある。
政府の想定では「100年に1度クラス」の事態が起きた場合、広域停電や通信障害が数日~2週間程度続く最悪シナリオも検討されていて、電力会社や通信事業者が対策を進めている。
このような障害が起きると、スマホがつながりにくい・交通機関の乱れ・銀行やキャッシュレス決済の一時停止・物流の遅れなど、生活全体に波及する可能性がある。
個人レベルでは、災害時と同じように「数日分の飲料水・食料・現金」「モバイルバッテリー」「情報源をスマホだけに頼りすぎない(ラジオなども用意)」といった備えをしておくことが、太陽フレア起因のトラブルにも有効とされている。
人間にとって太陽の存在は、生命の維持や健康にとって非常に重要だ。
太陽光を適度に浴びることで、体内でビタミンDが生成され、免疫力や骨の健康が守られ、生活習慣病などのリスクも低下するという。
一方で、太陽に近づくという行為は、様々な影響を受けると言うことを感ぜずにはいられない。

眩し過ぎる存在

近づくな,火傷するぜ!

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