
寺島尚正 今日の絵日記
2026年1月26日 正しい利用で真の極楽
近頃、ヒートショックの悲しいニュースがよく聞こえてくる。
2025年12月下旬、首都圏に住む70代の独り暮らしの男性が、暖かいリビングから冷えた浴室に入り、熱いお湯につかった直後に気を失った。
浴槽の中で溺れてしまい、助からなかった。
同じ12月、地方では50代のサラリーマンが飲酒後に長くお風呂に入って倒れ、心臓発作を起こした。
厚生労働省のデータでも、今年の冬の入浴中の死亡者は前より15%も増えている。
その7割がヒートショックによる。高齢者が多いが、若い人の事故も増えていて、在宅でお酒を飲む習慣やストレスがきっかけになっているという。
ヒートショックとは、急に寒い場所と暖かい場所を行ったり来たりすることで、血圧がジェットコースターの様にグンと上がったり下がったりする状態だ。
体に大きな負担がかかり、深刻な場合、命に関わる。
何故そうなるのか。
まず、暖房されているリビング(20℃程)から、暖房のない脱衣所やお風呂場(10℃以下)へ移動する。
この寒さで、体は「熱を逃がさないように」と、皮膚の血管をきゅっと縮める。すると、血の通り道が狭くなり、血圧が急に上がる。
高血圧気味の人は、ここで心臓がきつくなって、胸がドキドキしたり苦しくなる。
次に、そのまま熱いお湯(40℃以上)にドボンと入る。
体がポカポカ温まると、今度は血管がパッと広がる。血の流れが一気に増えて、血圧が急に下がる。
この「上がって下がる」を数分で繰り返すと、体の中の神経がパニックになる。
頭に血が届きにくくなり、めまいがしたり、気を失う。
体の中の仕組みをもう少し詳しく話そう。
寒いと「ノルアドレナリン」というホルモンが沢山出て、心臓が速く打つ。
一方、熱いと血管を広げる物質が出て、血圧を下げる。
この激しい変化で、心臓に必要な酸素が足りなくなると心筋梗塞が起き、頭の血管が破れたり詰まったりすると脳卒中になる。
お風呂場は床がツルツルで狭いので、倒れたら溺れてしまう二次的な事故が一番危ない。
消防庁の数字では、入浴中の死亡の8割がお風呂の中で起きていて、一人暮らしの場合、見つかるまで時間がかかる。
症状は軽いものから重いものまである。
最初は立ちくらみ、クラクラする感じ、冷や汗、気持ち悪くなる位だ。これを我慢すると、不整脈が出て胸が苦しくなる。
最悪は突然気を失う、心臓発作の強い痛み、片方の手足が動かなくなる、言葉が出ない、という脳卒中のサインだ。
お風呂で気を失うと、水が肺に入ってすぐ死んでしまう。
人によって出方が違うし、女性は寒さに弱い傾向があるという。
風邪をひいたりお腹が空いたりしている時も危なくなる。
高齢者が特に危ないのは、血管が固くなって血圧の変化に弱いからだ。心臓の力も弱まっている。
古い家だとお風呂場が寒くて、リビングとの温度差が15℃以上になることが多い。
お年寄りは暖房をケチったり、「大丈夫」と我慢したりして、一人で入っておかしくなっても助けを呼べない。
65歳以上の入浴死亡の8割以上がヒートショックだ。
今年は暖房費が高くてヒーターを使わない人が増え、事故が目立っている。
一方、若い人も注意が必要で。「自分は若いから平気」と思うのは間違いだ。
お酒を飲んで風呂に入ると、酒のせいで血管が広がりやすくなり、血圧が下がりやすくなる。
お酒の量が少しでもあればリスクが3倍になる。
サウナや熱いお湯と冷たい水を交互にやるのも同じで、神経が疲れてしまう。
徹夜明けや疲れた時に熱いお湯につかると、急にクラッとする場合が高くなる。
高血圧や太り気味、喫煙者は血管が早く固くなり、20代で心臓発作を起こす人もいる。
データでは20~40代の事故が全体の15%あり、ストレスが多い今の社会が一因とも指摘されている。
防ぐポイントは、まず、温度差をなくすことだ。
お風呂場の暖房やヒーターをつけて20℃くらいにする。
脱衣所にカーテンや床暖房を付ける。
お湯は38~40℃のぬるめで長く入るのがお勧め。
入る前と後に水を飲んで、脱水を防ぐ。
お酒の後は絶対入らず、シャワーだけにする。
家族と一緒に入ったり、入浴剤を使うと温まりやすい。
血圧を自分で測る習慣もつける。
古い家なら、国がリフォームのお金を少し出してくれる。
銭湯などに行くのも周りの目があり安全だ。
ヒートショックはちゃんと気をつければ防げるもの。
冬のお風呂をのんびり楽しむ時間を、安全に変える。
年齢に関係なく、寒さと熱の急な変化を怖がる。
最近のニュースのように、無防備は命を落とす。
ポカポカのお湯を、賢く味わいたいものだ。

正しい利用で真の極楽

冬に咲く花
- 1月19日
- 1月26日








