東京都心では、17日連続で雨が観測されています。
9月12日まで17日連続となっていて、13日も朝から雨が降り、気象庁の予報でも、東京地方は「雨、昼前から曇り」となっています。
13日も雨が観測されれば、連続日数は18日に伸びることになります。
(東京の連続降雨の記録は、集計方法によって異なりますが、東京・千代田区では、2019年6月27日から7月29日まで、33日間連続で雨が観測された記録があります。気象庁の統計をもとにした別の集計では、1995年の27日間が最長とされています)
今年、東京で長雨が続いている最大の理由は、秋雨前線が本州付近に停滞していることです。
秋雨前線は、夏の暖かく湿った空気と、北から流れ込む秋の涼しい空気がぶつかる場所にできます。
前線が日本付近を通過している場合は、雨のあとに晴れることもありますが、動きが遅く、同じ場所に停滞すると、曇りや雨の日が何日も続きます。
今年は、夏の空気をもたらす太平洋高気圧が前線を北へ押し上げる力が弱く、前線が関東付近に停滞しやすい状態になっています。
9月13日も、秋雨前線が本州付近に停滞したまま、ゆっくり北上する見込みで、東日本では雲が広がり、雨の降る所が多くなると予想されています。
もう一つの要因は、台風や熱帯低気圧から前線に向かって、暖かく湿った空気が流れ込んでいることです。
台風が東京を直接通過しなくても、台風周辺の湿った空気が前線に供給されると、雨雲が発達します。
9月上旬には、台風24号の周辺から暖かく湿った空気が流れ込んだことで、前線の活動が活発になり、関東甲信地方などで大雨となりました。
海面水温が高いことも、雨を強める背景の一つです。
海水温が高いと、海から蒸発する水蒸気が増えます。
この水蒸気を多く含んだ空気が前線や低気圧に流れ込むことで、雨雲が発達しやすくなります。
現在のエルニーニョ現象も、太平洋全体の海と大気の流れを変える要因の一つですが、東京の長雨をエルニーニョだけで説明することはできません。
直接の原因は、秋雨前線の停滞と、湿った空気の流入です。
雨が長期間続くと、地盤に水がしみ込み、土砂災害が起きやすくなります。
東京23区でも、崖や急な斜面の近くでは、雨が一度弱まったあとに斜面が崩れることがあります。
関東近郊の山沿いや丘陵地では、土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水に注意が必要です。
9月上旬には、東京都心だけでなく、伊豆諸島や首都圏各地で大雨となり、伊豆大島では24時間雨量が581.5ミリに達しました。
神奈川県の隣の静岡県熱海市春日町では、10日昼ごろ、高台にある住宅の土台付近の斜面で土砂崩れが起きているのが見つかりました。
土砂は斜面の下にある民泊施設に流れ込み、壁の一部が壊れるなどの被害が出ました。熱海市は、数日間にわたって降り続いた雨の影響とみています。
長雨の直後は、総雨量がそれほど多くないように見えても、地盤に水が残っている場合があります。
山沿いや崖の近くでは、土砂災害に注意が必要です。
雨がやんだあとに、斜面から小石が落ちる、地面にひびが入る、濁った水が湧き出すといった異変があれば、斜面に近づかず、安全な場所へ移動してください。
生活への影響としては、洗濯物が乾きにくく、カビや食中毒のリスクが高まります。
室内では、換気や除湿を行い、浴室やクローゼットなど、湿気がこもりやすい場所を確認することが大切です。
気温が一時的に下がっているため、体調管理にも注意が必要です。
一方、雨の合間に気温が上がると、湿度の高い蒸し暑さや、熱中症のリスクが戻る可能性もあります。
気になる今後の天気を見てみると、気象庁の1か月予報では、9月12日から10月11日までの東日本について、気温は高め、雨は平年並みか多めという見通しです。
9月13日から18日ごろにかけては、秋雨前線の影響を受けやすく、関東では曇りや雨の日が多くなる可能性があります。
その後、9月中旬から下旬にかけては、天気が数日おきに変化するパターンへ移るとみられます。
雨の日が続いたあとに晴れる日が現れ、長雨が一度に完全に終わるというより、雨と晴れを繰り返しながら、少しずつ秋へ向かうイメージです。
ただし、秋雨前線が本州付近に停滞したり、台風や熱帯低気圧が近づいたりした場合は、再び雨が長引いたり、大雨になったりする可能性があります。
9月後半も、「秋らしく涼しい日が続く」とは限りません。
晴れた日は残暑、前線が近づく日は雨と蒸し暑さ、前線が通過したあとは一時的な涼しさというように、気温の変化が大きくなる可能性があります。
熱中症対策は、少なくとも9月後半まで続けた方がよさそうです。
今日の早口言葉です。(ゆっくり3回、「グズグズ」を丁寧に言ってみましょう)
「雨やんで、晴れ間が出ても、まだまだ注意。 地面の中は、グズグズしてる」




