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2020.03.17

海を彩る珊瑚(サンゴ)の生態『浜松町Innovation Culture Cafe』


サンゴの正体はご存知でしょうか。「サンゴは植物」と思われるかもしれませんが、クラゲやイソギンチャクの仲間に分類される刺胞動物の一種です。


腔腸動物とも言われ、食べ物と排泄物が同じ口から出入りする体の構造となっています。


サンゴの種類は約800種と非常に多い種です。このうち沖縄には200種類のサンゴが確認されており、世界的にもサンゴの多い海域といわれています。


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珊瑚礁と宝石サンゴについて

珊瑚礁を作るサンゴは、触手が6本あることから「六放サンゴ」と呼ばれます。宝石サンゴは、8本の触手があり「八放サンゴ」と呼ばれます。


珊瑚礁を作るサンゴは、海の浅いところに生息し、成長のスピードは比較的速く、海岸近くなどで見たことがある方も多いのでは無いでしょうか。


宝石サンゴの成長は、とても遅く、中には1cm大きくなるのに、約50年もかかる種類さえあるそうです。また、生息するのは、深さ100m以上もの深海に生息するといわれています。


宝石サンゴは日本が誇る水産資源

宝石サンゴは高級な宝石の一つとして、世界的に知られています。貝の中で育つ真珠と共に「海の二大宝石」と呼ばれることもあり、希少性のある天然宝石として重宝されています。


なお、日本近海は宝石サンゴを産する数少ない漁場の一つであり、日本産のものは高い品質を誇っています。


希少価値の高い赤珊瑚は日本で多く採取でき、特に色が濃いものを「血赤珊瑚」と呼び、高知県の土佐湾で採取される血赤珊瑚は最高級といわれ本物の血のような色をしています。


また、東シナ海から日本近海の広い範囲に生息する「白珊瑚」は、高値で取引されることが多い宝石サンゴです。

希少性が高いのもそうですが、細工がよく際立ち美しい仕上がりになりますが、素材自体が柔らかいことから細工に高度な技術を要し、高価になるようです。


サンゴは植物ではなく、動物であり、高価な宝石として扱われることもあります。


今回はサンゴにスポットを当ててご紹介しましたが、サンゴだけでなく海には様々な生き物が生きております。


2020年2月11日の『浜松町Innovation Culture Cafe』では、人間だけでなく地球に生息するもの全てに関係する「海の豊かさを守るには」といったテーマにどのように考え行動すべきなのか、株式会社イノカCEOの高倉葉太さんと、ヤフーメディアプロデューサーの宮内俊樹さんをお迎えし、熱いトークが交わされました!


高倉さんは大学在学中の2016年にものづくりサービス会社「メーカーシップ」の創業メンバーとして参画し、最高執行責任者CEOに就任。2019年4月にはアクアリウム設置会社イノカを設立され、代表取締役に就任しています。


入山 海を豊かにするために、今抱えている課題と、私たちは何をすべきかお考えをお聞かせください。

高倉 僕らが一番着目しているのが、みんなが主体的に海を守るにはどうすればいいかということです。海を守るといっても、何をすればいいのかわからないんですよね。環境保全に対して、どうやってお金を流していくかが一番の課題だと思っています。まずは、サンゴの価値を伝えていくことが大事だと思っていて、そのためにみんなの身近なところに海を持ってくることです。

入山 僕も旅行に行った際に初めてサンゴの現状を知って、衝撃を受けました。サンゴって本当に生きているんだなっていう世界を東京でも見せたいということですね。

宮内 サンゴもそうだし、海の中のことをわからない人もいると思うので、知ることから始めるのもいいんじゃないのかなって思っています。サンゴってそもそも植物なのか動物なのかとか疑問が出てきた時に、高倉さんのような人に聞けるのはいいですよね。

砂山 根本的に海の中でサンゴが果たしている役割ってどういうものなんですか。

高倉 色々ありますが、一番の価値は大都会でいうマンションのようなところだと思います。サンゴ礁って海の面積の0.2%しかないんですけど、25%の海洋生物が棲んでいます。サンゴを食べる生き物がいて、その生き物を食べる魚がいて、そこにくっつく生物がいてって、サンゴを中心に世界がまわっているんです。そこが一番の魅力なのかなって思います。

入山 なるほど。世界的にサンゴは減ってきているんですか?

高倉 そうですね。短期的なところでいうと、地球温暖化の異常気象だとか開発などで減っていっているのはあります。2040年くらいには8~9割死滅するのではないかと言われています。生き物の棲むマンションが一気に無くなってしまう可能性があるんです。

田ケ原 2040年には8~9割死滅する可能性があるとのことですが、それに対する取り組みはされていると思うのですが、2040年までに追いつくのでしょうか。

高倉 一番大事にしているのは「株式会社」にしているところです。その一番の理由は日本を一丸にまとめてサンゴ礁を守る活動に向けたいということなんですよ。サンゴ礁がただキレイというのではなく、経済的価値を伝えていきたいんです。たとえば、オワンクラゲから見つかった蛍光タンパク質がガンの治療に使われていたりとか、海から多くのイノベーションが生まれているんです。その価値を伝えることで、お金を払ったらその企業にはお金が返ってくるという循環のモデルを作ることをしていきたいんです。

宮内 ロマンありますね。生物から学んで、技術に取り入れるというのが最近増えてきていますからね。

入山 これからやってみたいことってありますか。

高倉 今はサンゴの産卵の研究をしています。サンゴはタマゴを産むんですけど、沖縄の海などでは成功しているものの、人工的な環境ではアメリカで1例もまだできていないんです。2例目を東京の虎の門で産卵させようとしています。IOT技術も取り入れ、沖縄での技術を組み込んでやっています。うまくいけば今年の6月の満月の夜に産卵するかもしれないですね。2040年に月にサンゴを連れて行くのを目標に頑張っています。


みらいブンカvillage 浜松町Innovation Culture Cafe

放送日:火曜 19:00~21:00

出演者:入山章栄、砂山圭大郎アナウンサー、田ケ原恵美

メール:innovation@joqr.net

過去回:Podcast


毎週火曜日、午後7時から生放送でお送りしている『みらいブンカvillage浜松町Innovation Culture Cafe』。パーソナリティは早稲田大学ビジネススクール教授の入山章栄さん、砂山圭大郎アナウンサー。アシスタントはVoicy広報の田ケ原恵美さんが担当します。

「みらいブンカvillage浜松町Innovation Culture Cafe」はさまざまなジャンルのクリエーターや専門家・起業家たちが社会問題や未来予想図などをテーマに話す番組です。自身の経験や考え、意見をぶつけて、問題解決や未来へのヒントを探ります。

毎週火曜、午後7時から絶賛生放送中!!

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