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2020.05.19

税金の専門家と語る、コロナ渦で知っておきたい税金の知識 後編『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』

大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ

金融・住宅のプロフェッショナル大垣尚司さんと、団塊世代プロデューサー残間里江子さんが、楽しいセカンドライフを送るためのご提案をお届けする番組『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』。毎週土曜朝6時25分から放送中です。


5月2日の放送では、特別ゲストとして三木義一先生(前・青山学院大学学長、現弁護士)に、お電話でご登場いただきました。


盛り沢山の内容を、前・後編に分けてお伝えします。後編となる今回は、コロナ離婚で払うことになるかもしれない税金の話について語りました。前編はこちらよりお読みいただけます。



「コロナ離婚」の相談、本当に増えているんです......

大垣 「コロナ離婚」という言葉を聞くようになってきましたよね。

離婚での財産分与って、いろいろ税金が絡んできて厄介になるケースもあるわけです。そこで、財産分与と税金の関係についてお聞かせいただけませんか。

三木 「世間の常識は税法の非常識」ですから(笑)、皆さん、気をつけてきいてね。



財産分与を家にするか預貯金にするかが運命の分かれ目!?

三木 じゃあ、まずは質問から。離婚のとき、財産分与をうまくすると、相手をさらに懲らしめられます。どんなふうにすればいいと思いますか?

大垣 (笑)

三木 具体的に考えてみましょうか。

仮に残間さんが今、離婚することになったとしましょう。で、相手の名義で、預貯金1億円と、土地家屋1億円分があると。

ちなみに、この土地家屋は、昔結婚したときに1,000万円ぐらいで買ったものが、今、1億円ぐらいにまで値上がりしたものです。

さて、この場合残間さんは、現金をもらうか、家をもらうか、どちらを選ぶべきでしょうか?

残間 どうだろう。懲らしめるとかを考えないなら、後腐れがないから、現金がいいんだけど......。

三木 なるほど。それは、相手に優しいほうですね。実は、同じ1億円相当の資産でも、家をもらうだけで、翌年、相手には税金の請求がいくので、かなり懲らしめることができるんです。



実は残間さん、離婚での税金支払い経験者でした!?

残間 ......実は私、昔に離婚したとき、バブルの時代でしたけど、預貯金と土地家屋、どちらも全部、夫に渡して別れたんですよ。

鈴木 ええっ。

大垣 懲らしめられた側だったんだ(笑)。

三木 じゃあ、大変だったんじゃない?

残間 バブルだったからな。すっからかんになったのに、次の年に税金の請求が来て、どうしようと思いましたもん。しょうがないから、色々工面して返しましたけど。

三木 普通はそこでどこかに相談に行くとかになるんだけどね。



どうしてこんな不思議な課税がなされるの?

三木 ちょっとこの仕組み、アンバランスなんですよね。家を渡した側は課税されるんだけど、もらった側は、どれだけ値上がりした家をもらったとしても、原則として課税されないんですよ。

どうしてこういうことが起こるかというのを順番に説明していきましょう。

まず、夫婦が共同で培った財産は、仮に名義が夫のものでも、共有財産ということになるので、離婚に際しては、自分の持分を分けてもらうことができます。これを財産分与というわけ。

もし、お金が十分にあれば、相手の持分にあたる額を払ってあげればよい。これは後腐れがない。

ところが、お金がないか、手元に残しておきたい場合、家をあなたにあげるので、これで持分を精算したことにしてくれということになる。

たとえば、誰かから借りた100万円を返すのに、現金で返すか、100万円の価値がある絵画で返すかというのと同じだよね。

残間 同じかな。嫌いな絵はほしくないし、離婚相手からもらったら破いて捨てそう。

三木 いや、そういうことじゃなくて、オークションで確実に売れるのだとしてください。で、その絵画は実は30万円で買ったものだとすると、30万円のもので、100万円の財産分与の債務を帳消しにしてもらったことになる。そうすると、税務署からみると、70万円の所得が生じたことになるというわけ。

そして、そういうことが一番問題になるのが家なんだよね。

もし、残間さんが自分の名義になっている家で、財産分与をしたとすると、絵画と同じように、そのときの価値で、財産分与の債務を帳消しにしたことになる。物で支払うことになる。

大垣 なるほど、そうすると、例えば1億6,000万円で買った家が、今2億円の時価になっていると、その2億円分を渡すことで財産分与をしたことになるから、税務署的には、2億円の家を渡すことで2億円の財産分与義務を履行したのだから、2億円で売ったのと同じで、4,000万円分の所得があったことになるというわけですね。

三木 そうそう。実際の離婚では夫が払う立場のことが多いんだけど、貯金がなくて、渡すものがないから家を渡すっていうケースがよくあるんですよね。それで、渡したときに値上がりしていると、翌年に税金の請求がきて「泣き面に蜂」ということになる。

大垣 ......で、もらったほうはどうなんですか?

三木 もらった側は、もともと共有していた自分の財産を返してもらっただけなのだから、贈与税はかからない。そういう意味ではアンバランスなんですよ。


大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ

◆放送日

土曜 6:25~6:50

◆出演者

大垣尚司(青山学院大学教授・JTI代表理事)

残間里江子(団塊世代プロデューサー、club willbe代表)

鈴木純子アナウンサー

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