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2020.06.01

コロナでもらえる給付金、どうして課税対象なの? 『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』

大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ

金融・住宅のプロフェッショナル大垣尚司(青山学院大学 法科大学院 教授)さんと、団塊世代プロデューサー残間里江子さんが、楽しいセカンドライフを送るためのご提案をお届けする番組『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』。


この記事では、「大人ファンクラブってどんな番組?」という方のために、コーナー「大人ライフ・アカデミー」をもとに作成された大垣さんのレポートをお届け。ラジオとあわせてもっと楽しい、読んで得する「家とお金」の豆知識です。


2020年5月16日の放送は、コロナで国から給付されるお金の中で、課税されるものと非課税のもの、何が違うの? という疑問にお答えしました。



企業や事業への支援金、課税されるの? されないの?

コロナ禍で、国や地方自治体からさまざまな支援金や給付金が支払われることになりました。これらのお金のうち、個人に10万円が支払われる特別定額給付金以外は、原則として「課税対象」、つまり税金がかかることになっています。


これを聞いて「なぜ? 」と思った方もいるのではないでしょうか。税金がかかると満額もらえないし、そもそも、給付金や支援金はもともと私たちの税金から支給されているもの。これに税金をかけるのは何か違うようにも思えます。


どうして課税対象になるのかを理解するためには、「課税の対象になる」ということと、「税金が実際にかかる」ということを分けて考える必要があります。


経済産業省の支援策である持続化給付金の説明をみると、

「持続化給付金は、極めて厳しい経営環境にある事業者の事業継続を支援するため、使途に制約のない資金を給付するものです。これは、税務上、益金(個人事業者の場合は、総収入金額)に算入されるものですが、損金(個人事業者の場合は必要経費)の方が多ければ、課税所得は生じず、結果的に課税対象となりません。」

とあります。何のことか分かりにくいので説明しますね。


まず、法人税や所得税のような税金は、「総収入(益金)」から「必要経費(損金)」を引いた「利益」にかかります。たとえば、総収入が10万円、必要経費が5万円だとすると、利益は5万円になりますね。この5万円に税金がかかるのです。ですから、この5万円のことを、別の言い方で課税所得というわけです。


さて、コロナ禍で持続給付金をもらえるのは、売上げ、つまり総収入が前年の半分以下になっているような、厳しい状況にある会社や個人です。


こういう状況であっても、もちろん、普段から支払っている職員の給料や家賃といった必要経費はもちろん発生するわけです。先程の例でいうと、ふだんは10万円あった総収入が5万円になった状態で、必要経費の5万円を支払わなければならなくなるということですね。もちろん、残りはゼロ円です。


課税所得がゼロかマイナス、つまり赤字になってしまった場合、法人の場合は税金がかかりません。


こういうふうに、給付金の対象となる事業というのは、もともと、課税所得が非常に低くなることが予測されていますよね、ということが、経済産業省のページでは書かれていたわけです。



黒字になることもありますが......

ただ、もちろん、経費が少なかったり、収入がその後増えたことで黒字だった場合は、税金を支払う必要が出てくるわけですね。


ただし、そこで課税がかかるというのはつまり、「この会社や事業者は、もともと、そこまで多額の支援金は必要なかった」というふうにも考えられるわけです。


本来は、どれぐらいのお金が必要なのかをきちんと精査して、個別に額を調整するべきなのですが、そこまで細やかなことはできないので、課税をすることで、あとから調整しているのだ、と考えてもよいかも知れません。



個人への給付金が課税されない理由

最後に、個人に渡す10万円の給付金が非課税である理由について考えてみましょう。


先ほどお話ししたように、本来、課税をすることができるのは、その収入が黒字になっている場合だけです。


コロナ渦で収入が減ったり無くなったりした方は、先ほどの会社の例で考えると、「総収入」が減っているわけです。しかし、光熱費や家賃など、毎月払わなければならない「必要経費」が減ることはありません。すると、月末、純粋に手元に残るお金はほとんどないか、場合によっては貯金をおろさなければならないこともあるわけです。赤字の状態ですよね。


しかし、企業に雇用されている方の場合、所得税は、実際の家計が赤字になっているか黒字になっているかに関係なく、額面の収入に応じて課税されてしまいます。


10万円の給付金はそもそも、国民全員が、大幅な経済的ダメージを受けているということから給付が決まったもの。そこで、国会で、給付金に関する法律を決めたときに、あえて「非課税」にすることを決めたというわけです。


というわけで今回は、コロナの給付金がなぜ課税されるのか、されないのかについて考えてみました。


大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ

◆放送日

土曜 6:25~6:50

◆出演者

大垣尚司(青山学院大学教授・JTI代表理事)

残間里江子(団塊世代プロデューサー、club willbe代表)

鈴木純子アナウンサー

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