JAバンク スポーツスペシャル
第43回全日本大学駅伝対校選手権大会

見どころ&注目のランナー

大学三大駅伝の第2弾、全日本大学駅伝は、前回大会で優勝した早稲田大学、2位の駒澤大学、 3位の東洋大学、4位の日本大学、5位の東海大学、そして6位の明治大学までがシード校として出場。さらに全国8地区の厳しい予選を勝ち抜いた19校とオープン参加の地元、東海学連選抜。 そして今年は、東日本大震災で大きな被害を受けた東北地方への支援の一環として、 東北学連選抜がオープン参加。
合計27チームで争われる、『真の大学日本一決定戦』と呼ばれる大会です。


 全行程44.5キロという出雲駅伝から距離が倍以上伸びるこの全日本大学駅伝は、愛知県名古屋市の熱田神宮西門前をスタート。三重県伊勢市の伊勢神宮内宮宇治橋前までの8区間106.8キロで行われます。また各区間それぞれ距離にバリエーションがあり、監督が区間配置に頭を悩ませる大会でもあります。


今大会の注目は、出雲駅伝を初制覇した東洋大学が学生三大駅伝の2冠目奪取なるか? 前回の箱根駅伝で早稲田大学に僅か21秒差で敗れた東洋大学は、「その1秒を削りだせ」を合言葉に、出雲駅伝では、3区設楽悠太選手、4区田中貴章選手、5区市川孝徳選手の3人が区間賞を獲得。1秒でも前でタスキを渡すんだという気持ちが入った走りを見せ、出雲を制しました。 大学三大駅伝の第2弾、全日本大学駅伝も制して、昨年の早稲田大学に続く、3冠を狙います。
その東洋大学を追うのは、5000m13分台のランナーを10人揃える駒澤大学。 出雲駅伝では、1区で1年生の村山謙太選手が区間13位と出遅れましたが、3位でタスキを受け取った6区アンカーの窪田忍選手が区間賞の走りを見せ、前を走る早稲田大学の平賀翔太選手をかわし、2位に入りました。また、出雲駅伝では本来の走りを見せることが出来なかった村山謙太選手ですが、その5日後に静岡で行なわれた10000m記録会では、東海大学の村澤明伸選手早稲田大学の大迫傑選手など、学生トップランナーを抑え、28分17秒57の自己ベストで、日本人2位に入るなど、全日本大学駅伝に向け、調子を上げてきています。
そして、出雲駅伝で3位に終わった早稲田大学は、出雲で登録されなかった志方文典選手が、全日本大学駅伝に登録されて選手層に厚みが増しました。さらに、出雲で3区を任された1年生の山本修平選手が、東洋大学の設楽悠太選手との競り合いに勝ち、トップでタスキをつなぐ、最高の大学駅伝デビューを果たしました。渡辺康幸監督も出雲駅伝の後、山本選手を今後、主要区間で使用することを明言。東洋大学リベンジを誓います。


3強を追うのは、学生トップランナー村澤明伸選手やユニバーシアードのハーフマラソン銅メダリスト早川翼選手がいる出雲4位の東海大学。ジョン・マイナ選手、ダンカン・モゼ選手の2人の留学生を擁し、出雲5位の拓殖大学。全日本大学駅伝選考会で、4レース中、3レースで1位を獲得し、トップ通過した出雲10位の青山学院大学。2年、3年生中心のチームで出雲6位の日本体育大学と同じく9位の中央大学は、名門の意地を見せられるか。今季日本人学生最高となる27分44秒30をマークし、ロンドン五輪参加標準記録Aを突破した鎧坂哲哉選手、出雲駅伝の2区で区間新記録をマーク。一時、明治大学をトップに押し上げました。その明治大学も3強の一角を崩そうと虎視眈々と上位を狙っています。
そして、第88回箱根駅伝予選会をトップ通過した上武大学、6位通過の帝京大学、7位通過の城西大学は、その勢いを武器に伊勢路を駆け抜けます。
一方で惜しくも箱根駅伝予選会を通過できず、箱根本戦に出られない日本大学は、その悔しさを全日本大学駅伝にぶつけてくることでしょう。


打倒関東に燃える関西からは、京都産業大学や中部からは中京大学
九州からは、日本インカレ1万mで日本人最高の3位に入った中西拓郎選手を要する古豪福岡大学、キラグ・ギュグナのいる第一工業大学の各校も上位を狙います。
また今大会は、新潟大学が22大会ぶり、北海道大学が14大会ぶり、関西学院大学が19大会ぶりの出場を決めるなど、懐かしい大学も出場します。


果たして、2011年、伊勢神宮内宮宇治橋前のゴールに最初に飛び込み、真の大学日本一の栄冠を手にするのは、どのチームでしょうか。

全日本第42回2010年11月7日