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2021.01.14

宗次郎が「HITOMI〜幼き瞳〜」の生まれた背景を語る 『宗次郎 オカリーナの森から』

宗次郎 オカリーナの森から

文化放送で毎週土曜午後17時15分から放送中の『宗次郎 オカリーナの森から』。パーソナリティはオカリナ奏者の宗次郎さんです。


「HITOMI〜幼き瞳〜」が収録されたアルバム「まほろば」のテーマを語る。

ラジオオカリナ講座の次の課題曲「HITOMI〜幼き瞳〜」について、宗次郎さんがどんな曲なのか解説してくれました。


宗次郎 今月は「HITOMI〜幼き瞳〜」を練習していただこうと思います。


西川 では、練習に入る前にこの曲について教えていただけますでしょうか。


宗次郎 この曲は1998年9月18日にリリースしました「まほろば」というアルバムに収録されています。このアルバムは、青森県にある縄文時代の遺跡で、三内丸山遺跡というのがあるんですが、その遺跡とか、縄文のこととかをテーマにしたアルバムになっています。


その中の1曲が「HITOMI〜幼き瞳〜」です。三内丸山遺跡には住居跡があるんですけど、周辺にはいろんな施設とかがあって、お墓もあるんです。大人の人のお墓は、ずっと遠くの方の海の近くにあったんですけど、幼くして亡くなったお子さんは、住居のすぐそばに埋葬してあるんです。


西川 海の近くではなく?


宗次郎 はい。縄文人の人たちはすごく精神性の高い人たちだったと言われていて。航海術とかもすごかったんじゃないか、いろんなことにかなり高度なものを持っていたんじゃないかと言われています。宗教的なことで言うと、輪廻転生という生まれ変わりを信じていて、幼くして亡くなった子がまた生まれてきてくれるようにという願いを込めて、住居のすぐそばに甕棺に入れて埋葬していたそうなんです。そういったことを知り、縄文の人たち素晴らしいなあ、と思いました。すごく優しい人たちなんですよね。そういう人たちが自分たちの祖先なんだということに、誇りを持っていいんじゃないかな、と思って、アルバム「まほろば」全体のテーマにしています。「HITOMI〜幼き瞳〜」は幼くして亡くなった子のことを考えていたら浮かんできた曲です。


1998年7月には三内丸山遺跡でコンサートも開催

西川 1998年にはそこで野外コンサートも行われたんですよね。


宗次郎 そうです。当時青森県が主催で、三内丸山遺跡の象徴的な6本柱という場所の脇に野外ステージを作って、そこで野外コンサートをしてほしいと言われたんです。しかもゲストに外国の方を呼んでほしいと言われて。私はその前の年に南米ペルーのクスコにテレビの取材に行ったんですけど、10年ぶりくらいに素晴らしい人たちと再会したんです。彼らはクスコの遺跡のところでしか演奏をしない人たちで、普段はコンサート活動とかそういうのではなくて、遺跡の前で祈りの演奏をしていたり、代表の人がシャーマンでいつもお祈りをしているような方なんです。そのグループに来てもらったらどうか、と提案したら、それは素晴らしい、となって。彼らに来てもらって、一緒に何曲か演奏しました。


西川 今、このアルバム「まほろば」がスタジオにあるんですけど、あらためて中を見てみると埴輪がモチーフとして描かれていたりしますね。


宗次郎 そうなんですよ。縄文人はアーティストという感じで、遮光器土偶が出てきたり、ヴィーナスと呼ばれるものが出てきたり、縄文の遺跡からはいろんな素晴らしいものが出てきているんです。漆の木管が発掘されたりもしました。縄文時代という、あれだけ長い、何千年も穏やかな時期があったということだけ考えても、すごく素晴らしいことだと思うんです。


西川 本当ですね。曲の解説、ありがとうございました。


「HITOMI〜幼き瞳〜」を聴きながら、宗次郎さんがこの曲の演奏のポイントを紹介してくれました。次回の放送から、いよいよラジオオカリナ講座で西川アナウンサーと視聴者の皆さんの練習が始まります。


宗次郎 オカリーナの森から

放送日:土曜 17:15~17:30

出演者:宗次郎 西川文野

ラジオを聴く(放送日から1週間)

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