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2020.04.13

「コロナ後」の世界で、どうお金と付き合うか?『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』

大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ

金融・住宅のプロフェッショナル大垣尚司さんと、団塊世代プロデューサー残間里江子さんが、楽しいセカンドライフを送るためのご提案をお届けする番組『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』。4月からは毎週土曜日の午前6時25分~6時50分にお引越し!


この記事では、コーナー「大人ライフ・アカデミー2020」のアーカイブをお届けします。当コーナーは、青山学院大学 法科大学院 教授を務める大垣さんが、聴いて得する「家とお金」の豆知識をご紹介。



コロナ後、世界は「ニューノーマル」に変わる

大垣 前回、ゲストの高田創さん(岡三証券グローバルリサーチセンター理事長・エグゼクティブエコノミスト)に、コロナ後の世界はどうなっていくのか、ということをおうかがいしました。今回は私も、コロナ後の世界でのお金との付き合い方について考えてみようかなと思います。 高田さんはコロナの後の世界が「ニューノーマル」になるとおっしゃっていましたよね。新しい時代ですとか、枠組みのようなものに。

残間 これまでの状態に戻るのではなくてね。

大垣 はい。私もおそらく、元の状態に戻るということはないだろうな、と思っているんです。高田さんは岡三証券に掲載されている「高田レポート」の中で、「政策の40年周期説」ということをおっしゃっています。
 簡単に説明すると、金融政策は40年ごとに大きく変わっているのだ、ということですね。まず、1930年代、アメリカから全世界に波及した「大恐慌」があったでしょう。それから40年が経って、1970年代から今までは、日銀のような中央銀行を中心にした、金融政策を重視するスタンスでやってきました。
 そして2020年、コロナをきっかけにして、いよいよこれが終わるんじゃないか、というのが高田さんの主張です。

残間 世界を今までと同じように捉えることはできない、今までの生き方を見つめ直すときがきているわけですね。

大垣 はい。こういう時期はお金との付き合い方もかなり難しくなりますから、このコーナーでは今後も何回かに分けて、ニューノーマルの世界でちょっとこういう点は知っておいたほうがいいんじゃないか、ということをお話ししていこうと思います。



コロナ以前は、株で儲けるといえば投機でしたが......

大垣 まず今回は、どんなふうに株などの金融商品と付き合っていくべきかということをお話ししようと思います。
 そもそもマーケットには、投資と投機という二つの儲け方があります。投機っていうのは要するに、安いところで買って高いところで売って儲ける、短期の取引ですね。いわゆるデイトレーダーのようなイメージです。一方、投資は、長期間保有して、株が成長していくのを長い目で見守るもの。
 これまで市場は投機によって動いていました。投機で動く市場の特徴は何かというと、その会社がいい会社かとか、儲かっているかとか、そういうことに関わりなく株の価格が上がる場合があること。
 これはなぜかというと、会社が自分の株をマーケットで買って、株の価格を上げる「自己株買い」ができるからです。マーケットに出ている株の量が減るので、値段が上がるわけですね。アメリカの大きな会社なんかはほとんどがこの自己株買いをすることによって会社の株価を上げていました。
 今回のコロナでは当然マーケット全体で株価が下がっているわけですが、この下がった分というのは実は、「自社株買い」によって底上げされていた分とちょうど同じぐらいだったのではないかということも言われています。



大垣さんのオススメは投資。投資先にもコツがあります!

残間 株価が下がっているということは、今は買い時ということ?

大垣 うーん。確かに今、個別の会社の株を買う動きは増えています。「安いから買っちゃえ」と。ただ、これには少し様子を見て、と言いたいですね。
 コロナによる景気後退って、一度やり過ごしたからこれで終わり、ということではなくて、何回も何回も波がきて、徐々に落ち着いていくのだと思うんです。マーケットはそのたびにものすごく激しい動きをします。これに個人が対応するのは、かなり難しいことです。
 それから、さっきも言ったように、コロナ後の世界は「ニューノーマル」なわけですよね。なので、これまで強かった会社がもしかしたら弱くなるかもしれないし、その逆も然りで、これまで弱かった会社が、新しくなるかもしれない。どの会社の株価が上がるかということは、今の段階ではまだ分からないんですよね。

残間 なるほど、「ニューノーマル」っていうのは、そうか。そこまで波及するんだ。確かにね。

大垣 そういうわけで僕はこの時期、投機よりも投資をおすすめしたいです。それも、高田さんがこの間おっしゃっていたように、だいたいマーケットと同じような動き方をする商品を買っておくのが賢いやり方だと思います。
 一つの会社に絞って購入するというよりは、マーケット全体で少しずつ購入して、落ち着くまでは様子を見ると。激動の時代とはいえ、この状態がいつまでも続くわけではないわけですから、そこまでは少し待ってあげるというのがいいのかなと思います。


大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ

◆放送日

土曜 6:25~6:50

◆出演者

大垣尚司(青山学院大学教授・JTI代表理事)

残間里江子(団塊世代プロデューサー、club willbe代表)

鈴木純子アナウンサー

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