
文化放送で毎週土曜午後17時15分から放送中の『宗次郎 オカリーナの森から』。パーソナリティはオカリナ奏者の宗次郎さんです。
「天空のオリオン」のエッセイは、自宅の庭からの景色が原点
今週は宗次郎さんが「天空のオリオン」を朗読し、その世界観がどこから生まれたのかを語ってくれました。
宗次郎 「Sojiro Ocarina Works 1975-2005」に書きました、「天空のオリオン」という短い文章を読ませていただきました。このエッセイはですね、「天空のオリオン」は2000年に出したアルバムなんですけど、その2000年のコンサートツアーでご挨拶のように書いた文章だった気がします。そのあと、2005年に本が出たので、それにも載っています。もともと、これは僕の自宅の雰囲気なんです。
西川 どこが舞台で、エッセイをお考えになられたのかな、と思いましたけど......。
宗次郎 今は常陸大宮市になっていますけど、昔は小川村という小さな村でした。自宅が高台の中腹にあって、庭先から遠くの山並みも見えて、星空も見える、眺めの良い場所にあるんです。そこにいて書いた文章です。日が落ちると真っ暗になって、物音もしなくて、夕方真っ暗になると、東の空からオリオンが見えてくるんです。オリオンだけでなくて、月の時もすごい綺麗だったりするし、真夜中に星々がいっぱい出てくると、本当にそれもすごく綺麗で。そういう風景をたくさんその時に見てたものですから、それで考えた文章なんです。
西川 そうだったんですね。
宗次郎 昔、僕の家に都会から若いミュージシャンが遊びにきたんです。ゲストルームに泊まってもらったんですけど、夜中の12時、1時くらいになって、リビングルームに戻ってきて「宗次郎さん、静かすぎて眠れません。静かすぎて怖い」と。都会育ちの男の子なんだけど、怖くて眠れないっていう人もいたくらい静かなんですよ。
西川 透明な夜っていう表現がありますが、本当に空気が綺麗なところなんですね。
宗次郎 そうなんですよ。透き通っている。星々がいっぱい見えてくると、満点の星空を見ていると、命の尊
さとかを思い知らされる感じがするんです。
昼間は太陽の光を浴びて自分はこれに育まれているんだなと思ったり、夜になると綺麗な月が出ているとその月に癒されたり、星が出ていると命の尊さを感じたり。そういうすべてのことに感謝の気持ちになってくる。そういう意味で、最後、月と星にありがとうと感謝の言葉を述べたんですけどね。
その後、なかなかライブなどにいけず宗次郎さんのYouTubeチャンネルで音楽を聴いていたというリスナーのリクエストに応えて「水心」をお届けしました。
宗次郎 僕も思うような活動ができずに歯痒い思いをしています。同様に感じている音楽かも多いと思います。YouTubeを見てくださっているということで嬉しいです。
西川 森の音楽堂でのライブの様子もアップされていますね。
宗次郎 春先から、コロナの関係でコンサートができなくなったり、ファンクラブのイベントとかも全部できなくなってしまいました。春先の花が咲き始めてすごい綺麗なときに、みんなが来れない。みんな来たいんじゃないかなと思って、映像を撮ってYouTubeで流そうと、そこから始まったんです。せっかく撮るんだったら演奏もした方がいいなと、スタッフが頑張って、今は1週間に2本ずつくらい上げているんですよ。遡るとずいぶんいっぱいありますので、ぜひ見て欲しいです。
西川 宗次郎さんがオカリナを作られているときの一部の部分も動画も公開されているんですよね。
宗次郎 コンサートがなくなってしまったのでオカリナ作りもしていたもんですから、作っているところを静かに覗いている、って感じでね、皆さんに見てもらっています。
西川 宗次郎さんの公式HPからYouTubeチャンネルに飛ぶことができますね。
宗次郎 はい。皆さんのもとで生演奏をする機会は減りましたけど、公式チャンネルを通じて皆様に寄り添いたいと思っています。