浜美枝のいつかあなたと

毎週日曜日
 9時30分~10時00分
Mr Naomasa Terashima Today Picture Diary

寺島尚正 今日の絵日記

2025年4月21日 緑と陽光

紫外線が気になる季節となった。4月から9月は紫外線の注意期間といわれている。
気象庁によると、1年間に地表に届く紫外線量はこのところ増加傾向にあり増加率は10年当たりで4.6%にあたる。

なぜ紫外線量が増加しているのだろう。

専門家は意外な影響を口にしている。
「近年はディーゼル車の規制やクリーン自動車の普及によって大気中のちりや汚染物質が減って大気がきれいになったことで、紫外線が増加したと考えられる」としている。

大気中に小さな粒子が浮遊していると、紫外線は粒子にあたって跳ね返される『散乱』が起きて地上に到達しにくくなる。
しかし、大気の塵が比較的少ないと、すんなり降り注ぐ可能性が高くなるのだ。
大気が綺麗になった反面、紫外線は私達に届きやすくなっているのである。
何とも皮肉な現象だ。

そもそも紫外線には、波長の長い方から、紫外線A波(UVA)、紫外線B波(UVB)、紫外線C波(UVC)とあり、肌がヒリヒリ赤くなって、シミやそばかす、皮膚癌の原因にもなるのが紫外線B波(UV-B)だ。これは直射日光に当たらなければある程度防げる。
ところが、直射日光に当たらなくても、じんわり肌の奥で肌老化を進めるのが紫外線A波(UV-A)である。
A波は曇もガラスも通過するので、曇りの日も雨の日も、また家に居ても浴びる危険性が強い。
しかも、肌に届いたA波は表皮を通過して真皮に届く。
真皮の約70%はコラーゲンである。コラーゲンが破壊され、皺やたるみの原因になるといわれている。
肌細胞を深く傷つけ、気が付かないうちに肌の奥で悪影響を及ぼすのが紫外線なのである。
しかも、紫外線B波は5~8月がピークで冬には減るのに対して、A波は4~8月がピークで、それ以外でもピーク時の1/2以上の量があるので年間を通してケアすることが大切だ。

先程も触れたが、どんよりと厚い雲に覆われて、日差しを感じない日は、今日はいいかなとUVケアを怠りがちになるが、気象庁のHPには「紫外線量は快晴の時に比べると、うす曇りの場合は約80~90%、くもりの場合は約60%、雨の場合は約30%の量になる」とある。
さらに「雲の間から太陽が出ている場合には、雲からの散乱光が加わるため快晴の時よりも多い紫外線が観測されることがある」と。
晴れている日より曇りの日の方がしっかりとUVケアをする必要があるともいえる。
曇りの日は晴れの日に比べてUV-A波の量はほとんど変わらない。
UV-A波は、皮膚に届く紫外線量の実に約95%を占めていて、長い時間をかけ、気付かない間に肌に悪影響を及ぼすお肌を老化させる原因そのものなのだ。
紫外線はすなわち太陽光と考えがちだが、紫外線は目には見えないもの。熱さを感じる光へのケアだけでは、光による老化は防げないのである。

このように悪影響ばかり注目されがちな紫外線だが、適度に浴びると体に良いという研究も少なくない。ビタミンDを生成する効果もある。
皮膚に「UV-B」が照射されるとビタミンDが皮下でつくられるのだ。
ビタミンDはカルシウムの吸収を促進し、骨の形成や筋力を高める効果が広く知られているが、浴びすぎは問題なのである。

専門家は、この時期から夏至に向けて日射量が増えるのに伴って紫外線も強まるとして
「日焼け止めをしていない露出した肌が焼けるほか、白内障の原因が蓄積するといった悪影響がある。これからの時期、昼前後に外に出た場合10分から20分くらいで日焼けが始まるので、日焼け止めを塗り、日ざしを長時間浴びることを避け、この時期から日焼け対策を始めてほしい」
とアドバイスする。

普段余り気にせず日常生活を送る小生としては、紫外線、中々厄介な存在である。

陽光を浴びて、ハナミズキやツツジが存在感を増してきた。


緑と陽光
緑と陽光

影に目を留める
影に目を留める

ハナミズキは上を向き
ハナミズキは上を向き

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