レコメン!シェアリング~学ぼうヤングケアラー~

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最近、ニュースなどで耳にする機会の増えた「ヤングケアラー」
『レコメン!』では、その問題点や支援について学ぶため、特別コーナーを放送しました。

↓アーカイブ動画も配信中です(前・後編)↓

のり ヤングケアラーとはどういった人たちなのでしょうか?
宮崎 本来、大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを、日常的に行っているこどものことをいいます。
のり ヤングケアラーになっているこどもの数は、今、どのぐらいとされているのですか?
宮崎 厚生労働省の調査結果では、中学2年生の5.7%、高校2年生の4.1%が「世話をしている家族がいる」と回答しています。
のり 今、ヤングケアラーを取り巻く環境で何が問題になっているのですか?
宮崎 家族のケアをすること自体は、決して悪いことではないと思っています。ただ、その状況が続いて学校に行けなくなる、進学をあきらめる、就職に影響が出てしまうなど人生に影響が出ていて、そういった状況の子たちに支援が届いていないのが問題です。また、周りに相談できないのも問題だと思っています。

ヤングケアラー経験をきっかけに教育系YouTuberへ

のり 葉一さんもヤングケアラーだったそうですが。
葉一 はい。障害を持った妹がいたのですが、親が共働きで、特に父がものすごく多忙でした。なので、母の負担が大きく、いっぱいいっぱいになっていく母を見て、物心ついたときからそのケアをするようになっていました。
のり 主にどんなことをしていたのですか?
葉一 両親が仕事でいなければ、妹の昼食を作って食べさせたり。ずっと一緒にいて、危ないことをしないか見たりしていました。それと、母のメンタルが崩れないようにグチを聞くとかですね。
のり 葉一さんは2012年から、教育系のYouTuberとして活動を始められています。ずいぶん早い時期ですよね?
葉一 YouTubeではかなり初期からやっている方だと思います。元々は塾講師をしているときに、所得の問題で塾に行けないご家庭がすごく多いことに気がついたんですね。さらにヤングケアラーの子たちは、塾の時間が決まっていても、そこで親御さんの体調が崩れるパターンもあるので、生活リズムが一定にできないんです。でも、勉強をがんばりたいと思ってる子たちに、他の方法で教育を届けたいという思いで始めました。
のり 具体的にはどのような動画が上げられているんですか?
葉一 小学3年生から高校生向けの授業の動画です。これを見てもらえれば、勉強のサポートはある程度できます。

ヤングケアラーに生の声を聞いてみた

のり ヤングケアラーのソラさんとキタネコさんにもお話をうかがいます。ソラさんは高校3年生、キタネコさんは大学4年生ですよね。お2人はどのような生活を送っているのですか?
ソラ 障害のある4歳下の弟と、時々体調を崩すお母さんのケアをしながら生活しています。私は「きょうだい会」という、きょうだい児をケアするヤングケアラーの集まりに参加して、自分だけがこの問題を抱えているのではないということを知りました。
キタネコ 大学生として勉強をしていたのですが、母が精神的な病になってしまったので、大学1年生のときに休学をして、母のケアに徹しました。食事や洗濯など、家事全般を手伝っています。
のり 大学を休学したとのことですが、辞めるという選択肢はなかったのですか?
キタネコ ありました。やめるべきだと自分では思っていましたが、中高の恩師に相談して、「大学に籍を置いて考える時間にしよう」と考え直して、休学にしました。あの時、信頼できる恩師に相談ができたこと、大学を辞めなかったことを、本当に良かったと思っています。

それぞれの立場からひと言ずつメッセージ

のり 改めてヤングケアラーや周りの人たちにメッセージはありますか?
宮崎 まずヤングケアラーの方々は、一緒に考えてくれる大人が今はたくさんいると思うんです。相談までいかなくても、信頼できる大人とつながって、一緒に将来のことや悩みについて考えていける社会にしていきます。周りの方は、ヤングケアラーという状況は抜きにして、困った友だちとどうしたら一緒に過ごしていけるのかを考えてもらいたいです。
ソラ 私は将来、ヤングケアラーが気軽に行ける居場所作りをしていきたいと思っているので、自分も信頼できる大人になるために、今後、勉強もがんばっていきたいと思います。
キタネコ ヤングケアラーが周りにいた場合、あんまり過干渉にならないようにしてほしいです。「待つこと」も僕は大事だと思っているので、相談されたら答えるぐらいでいいと思っています。
葉一 キタネコさんの「過干渉にならずに」というのはすごく気持ちが分かるんです。私も「不幸」と押しつけられることが多かったんですね。なので、何をしたらいいか悩んでいる方は、「何かあったら頼って。いつでも力になるから。でも、それまで待っているから」という気持ちでいてください。
のり 1人で悩まずに声を出して、気づいてもらうことが本当に辛いときに大事だと感じました。ヤングケアラー協会さんをはじめとする支援団体や自治体に相談することと、サポートを受けられることを知ってもらいたいです。あと、そういった方がもし周りにいたら、ぜひ耳を傾けていただきたい。それで救われる方がいますから。

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