
【水谷加奈の劇場型恋愛体質】グルーミング。なんだそりゃ。
文化放送メールマガジン(毎週金曜日配信)にて連載中のコラム「水谷加奈の劇場型恋愛体質」。水谷アナが、日々の生活で感じたことを心のままに綴ります。
―4月11日(金)配信分―
猫が毛づくろいして緊張や不安を軽減させる行為を【グルーミング】といいますが、その言葉を性犯罪に当てはめることがあります。
子供の判断能力の未熟さにつけこみ、言葉巧みに手なづけて子供を懐柔すること(性犯罪の準備行為)も【グルーミング】というとか。
子供に優しくして安心させるという意味では確かにグルーミングなんだけど…。この言葉を性犯罪関係に使うことに関しては違和感しかありません。
言葉や表現によって、犯罪や犯罪まがいの事象がどんどん軽い扱いになっていくことが多くありませんか?
10代20代による市販薬の【オーバードーズ】が急増しています。【オーバードーズ】とは薬物の過剰摂取のこと。
でもこういう言い方をするとちょっとカッコよくなってしまう。
しかもこのオーバードーズの原因が「生きづらさや孤独から一時的に逃れるための手段」と説明されたりしているのですが、
いやいや、生きづらさや孤独を感じている人はいっぱいいるわ。薬物使用の言い訳にしないでほしいわ。と思う。
それから【トー横キッズ】ね。歌舞伎町にある新宿東宝ビル周辺に集まる家出や不良の子供たちのことを指しますが、
トー横じゃないでしょ。キッズじゃないでしょ。ちゃんとしなさいよ。と怒りさえ感じます。
生きづらいから【トー横キッズ】になって【オーバードーズ】して【グルーミング】された。
【闇バイト】でもしないと生きていけない。って。なんだそりゃ?
本来子供や若者の犯罪を止めるべきがメディアの仕事なのに、そのメディアがキャッチーな流行り言葉をつくってしまっている。
言葉が罪や責任から逃れるための免罪符になってはいけないのに。
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