政治の実態は思うより地味で、地道なもの

政治の実態は思うより地味で、地道なもの

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ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時30分~17時、火~金曜日15時30分~17時35分)、5月5日の放送に政治ジャーナリストの角谷浩一が出演。元・広島県安芸高田市長の石丸伸二氏による新党「再生の道」都議選の公認候補者の辞退が相次いだことなどから、「政治が身近になったのはいいことだけど」というテーマで解説を展開した。

長野智子「(石丸伸二氏による新党「再生の道」の)公認候補者辞退というのは、なぜなんですか?」

角谷浩一「たとえば相手に勝てそうもない、供託金を含めてお金もかかって、それをどれぐらい党がやってくれるのか自分が出すのか。そういうふうに、意外と必要経費もかかる、と。それから自分のやりたいことと都議会でやるべき仕事とのギャップがだんだんわかってくる、などいろいろな理由はあると思う」

長野「ああ……」

角谷「彼らの事情はわからないけど、考えられるのはそういうことかな、と。政治が身近になったということだと思うんです。立候補してみようかな、考えていることを反映したいな、と。私、政治記者として長年やってきまして。皆さんが意見をネットなどで言うようになるのはすごくいいと思う。ただ同業者が増えて大変なことになっている感じがするんですね」

長野「あ~……」

角谷「みんなが考えを言えるようになったり、考えを寄せていこうとしたり。考えと合っている人が石丸さんだったから、ここでやろう。そういう動機づけもわからなくはない。ただ政治の実態は思ったより地味なものだし、地道なもので。ひとつひとつ歩いてまわったり話を聴いたりするのが仕事。メディアでは派手なところしか見えないかもしれないけど。それを一生懸命やっている人を見て僕らがまたいろいろ言う。表面的に政治を見ていると間違ってしまうことがあるかもな、と感じます」

長野「はい」

角谷「こうして立候補者や『出たい』と思う人が増える。ここ何年かは橋下徹さんの政治塾や維新の政治塾などいろいろあった。かけ持ちして『向こうの政治塾にもいましたね』という人も多かった。興味を持つ人が増えたのは良いことでしょう。でも政治の実態を知らないと辞退が起きる。当選してから『やーめた』となるのはもっと困る。こういう確認作業は公認するだけじゃなくて政党や政治団体の公認の責任ってあると思う」

長野「1128人がエントリーして48人に絞った。相当、選考は厳しかったんでしょうね」

角谷「それでも辞退者が出る。都議選が今年あることを承知のうえでしているわけでね。もっと言えば潜在的な立候補者がこんなにいるなら、ある意味で政治の前途は明るい。なり手がいない業界、たくさんあるんだから。政治家が簡単なものだったり、有権者の支持を得たりしたら当選できるかもしれないけど、人気の政治家の旬が、最近は短い」

長野「はい」

角谷「そこら辺は大変だな、という感じがする。一方でアナウンサーがこれからの政治家のひとつの期待される即戦力と見られることはあると思うんですね。スポーツ選手やタレントさんが出るよりも、勉強していてニュースに接することも多い。何が問題か見分けられる、という意味で、今回、国民民主党から元NHKのアナウンサーが出ると話題ですよね」

長野「あの方、ビックリしましたね。声をかけられて翌日に退社を決めた、みたいな」

角谷「前のとき自民党から声をかけられたんだけど、退職が間に合わないとかいろいろ説明があって断念した。今回、国民に行ったので自民党の人はプリプリしている感じがする。声をかけられたいところが違ったのかな、それで今回の結果になったのかな、と。ただアナウンサーで取材していて制度、壁があってできないこともあって歯がゆかった、みたいなことを政治家になって変えたい、というふうにおっしゃって。私はそっち側に行かない側の立場として、メディア側でやることはまだいっぱいある、と思っています」

「長野智子アップデート」は毎週月曜午後3時30分~5時、火曜~金曜午後3時30分~5時35分、文化放送(FM91.6MHz、AM1134kHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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