
消費税減税、行うとしてもそれだけではいけない?
ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時30分~17時、火~金曜日15時30分~17時35分)、5月21日の放送に経済評論家の佐藤治彦が出演した。すべきか、すべきでないかで世の意見が割れている、消費税減税について解説した。
長野智子「(消費税減税すべき、すべきでない、という議論について)佐藤さんはどうご覧になっていますか?」
佐藤治彦「まず私は、消費税がこのままでいいなんて、これっぽっちも思っていません。特に食料品に関しては8%のままでいいのか、というとそうではなく。減税すべきだ、と思います。けれど食料品だけ減税すればいいわけでもない。たとえば光熱費、教育費、生理用品などはどうなのか。消費税減税、やるべきだとは思います」
長野「はい」
佐藤「でもこの議論が出てきたとき、食料品0%ということしか各政党から聞こえてこないので、これは『やる気ないな』と思いました。食料品を0%にするといって、たとえば100g5000円のお肉も0%、カスピ海でとれた20000円のキャビアも0%になる。一方で牛丼チェーン、牛丼は10%のままです」
長野「はい」
佐藤「お店で食べると10%、持ち帰りは0%、そんなことが通用するんだろうか。そういう問題をいちいちクリアしていくとなると、もう少し丁寧な議論が要る。そうなっていないことから、選挙が近づいてきたから、という打ち上げ花火のようなもので、実際には動かないだろう、と予想していたら、案の定。4月下旬に何人か、国会議員の方に聞いたんです。減税に関しては皆『動いていかないだろう』とおっしゃっていました」
長野「動いていかないだろう」
佐藤「減税、やるべきだし財源はいくらでもあると思います。ただ財源に手を入れるとなると損する人が出てきてしまう。その人たちの説得は大変だろうな、と。消費税って平成になってから導入されたんですけど、じつは昭和の時代も物品税という、贅沢品にだけ税金がかかるものがありました。消費税減税とともに、たとえば一部の物品税の復活(が望ましい)。それから、年金でもありましたけど様々な不公平、ヘンテコな制度によって特権を得ている人がたくさんいるんです」
長野「ほう」
佐藤「特権的な制度って多いんですね。私は第3号被保険者みたいなものは良くないし、社会保険料控除というもの自体がおかしいと思っているんです。たとえば国民年金、1ヶ月17500円払います。収入が100万円の人も2000万円の人も。でも2000万円の人は払った保険料の半分戻ってきます。ですから実質負担は8000円ぐらいで済んでしまう。そうじゃない普通の人は取られっぱなし。お金持ちのほうが実質的な負担が少ない、という状況になっている。いわゆる財源って見つけられるのに、そこに政治家は手を入れないんですね」
「長野智子アップデート」は毎週月曜午後3時30分~5時、火曜~金曜午後3時30分~5時35分、文化放送(FM91.6MHz、AM1134kHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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