
厚生年金の積立金を使う基礎年金底上げ策を除外 藤井氏「公的資金を投入すればいいんですよ」
5月22日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、木曜コメンテーターで京都大学大学院教授の藤井聡氏と寺島尚正アナウンサーが、基礎年金底上げ策に関するニュースについて意見を交わした。
藤井氏「赤字国債じゃなくて財投債でも入れたらいいんですよ」
今国会で2回目となった21日の党首討論。野党の3党首は国民生活に直結する年金、消費税、コメを取り上げた。いずれも終盤国会の焦点となる重要課題である。
立憲民主党の野田佳彦代表はこの日、年金の問題から切り出した。当初、厚生労働省は就職氷河期を含む現役世代の将来の対策として、基礎年金の底上げ策を年金関連法案に盛り込もうとしていた。しかし、底上げのために、厚生年金の積立金を使うことや、将来、兆円単位の公費負担が生じる可能性があることなどから、自民内の反対を受けて底上げ策を除外した。
これを野田氏は「あんこのないあんパン」だと批判した。
寺島アナ「厚生年金の積立金を使っての基礎年金底上げ策ですけれども、これは藤井さんはどうお考えですか?」
藤井氏「これはもう最悪ですよね。そもそも、いま年金受給するよりも年金とは無関係に今までなんぼ払ってきたかは全然関係なく、ただ単に生活保護を受けたほうがお金がもらえるんですよ。そんなアホな話ありますか?と」
寺島アナ「ないですよねぇ」
藤井氏「っていうことになっているわけですよ。だから少なくとも生活保護よりは高くなるようにしとかなあかんってのは第一です。で、第二の点ですけども、それをやるときになんで厚生年金やねん、と。なんでかっていうと政府が国費を入れたくないからなんですよ。公的資金を入れたくないもんだからそうやってるんですよね。だから、これはどうやったらいいかっていったら、公的資金を入れればいいんですよ。それでどんどん価格に連動させる格好で上げていくようにして、将来返してもらってもいいし、返してもらうこと前提にするんだったら赤字国債じゃなくて財投債でも入れたらいいんですよ。過去において財投債入れたりとかすることもあったんだから」
寺島アナ「はい」
藤井氏「だから年金に貸してあげたらいいんですよ、政府が。それで『年金に入ってたらこれだけお金もらえますよ。生活保護よりもお金もらえますよ』っていう状況を作って、そしたら『それならお金入れとこう』ってなるわけじゃないですか。だから『生活保護よりも常に1〜2割高い水準を最低限でも支給できますよ』っていう状況を無理してでも作るんですよ、公的資金を投入して。国債を発行して。それをやらなあかんのですけれども、政府は例によって『プライマリーバランスを来年黒字化する』とか言ってるから、それができないんですよ。だから厚生年金入れようってことになるけど、そんなことしたら厚生年金の人が怒るから」
寺島アナ「そうですよねぇ」
藤井氏「そりゃそうですよ、厚生年金が安くなるんだから、そんなところにお金入れてしまったら。だから財務省を手懐けることができないから、押さえつけることができないから、自民党はこの案をポシャったわけですよ。結局、財務省に潰されたのと一緒なんです。もう無茶苦茶」
寺島アナ「無茶苦茶ですねぇ」
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