年金制度改正法、今後どう影響してくる?

年金制度改正法、今後どう影響してくる?

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ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時30分~17時、火~金曜日15時30分~17時35分)、6月18日の放送に経済評論家の佐藤治彦が出演。年金制度改正法による国民のメリット、デメリットについて解説した。

鈴木敏夫(文化放送解説委員)「パートの方、短時間労働者の厚生年金への加入拡大を柱とする年金制度改正法についてです。与党と立憲民主党の間で修正された法案が、参議院本会議で可決成立しました。106万円の壁とされていた年収要件を撤廃します。将来受け取る年金額が手厚くなる一方、新たに保険料の負担が生じて手取りが減少するケースもあります」

長野智子「まずは今回の年金制度改正法、どう評価していますか?」

佐藤治彦「ホッとしました。年金や税金の問題って、できれば政党間のむやみな争いの中に埋没させていくのではなく、やはり皆で集まってマトモな法律、制度に作り替えていく、というのが当然だと思います。今回、与党は基礎年金の底上げを外して法案を出しましたね」

長野「はい」

佐藤「でも基礎年金の底上げを出さないとどうなっていたかというと、特にいま40代後半から50代、いわゆる就職氷河期といわれる時代の方の基礎年金……基礎年金は国民年金、厚生年金払っている方、全員に値するものですけど、その基礎部分が3割減るといわれていたんです」

長野「そうですね」

佐藤「いまの年金でいえばだいたい年間でもらえるのって満額でも80万じゃないですか。それが3割、24万円も減ってしまうということ。これは暮らしていけない人が続出する。いまでも足りないのに、さらに減ってしまう。問題だと。それをまた4年後に先送りしてはいけないということで、立憲民主党がかけあって。基礎年金の底上げを入れて法案を通す」

長野「はい」

佐藤「そのことにホッとしました。なぜかといえば就職氷河期の方で、どっちみち保険料を払っても将来、生活を支えてくれる年金なんかもらえない、だから払わない、という方いるじゃないですか。そういう方々に、払っておかないと65歳すぎてから大変なことになりますよ、と。だって厚生年金は大きく目減りしないって与野党合意の上、法律、通ったんですから。といえると思います」

長野「立憲が押し込んだじゃないですか。不足というかたちでつけて、4年後の財政検証の結果を受けてまた判断する、みたいな。若干先延ばし感もある。どうなんですか?」

佐藤「4年後の財政検証で、財政状況がよくなりました、と。いわゆるマクロ経済スライドで年金額を目減りさせることはしなくてよくなりました、ということになるわけない。いまの状況と同じようになることはほぼ間違いない。ということは事実上、多くの人がもらう基礎年金を大きく目減りさせない、と決めた。そこはひと安心だなと思います」

長野「与党の『厚生年金の人が減ってしまうから』どうのこうの、というデマみたいなものが流れた。なんだったんでしょうね」

佐藤「結局、こういう年金問題って選挙の争点になりやすいので。それを争点にしたかった、という野党も多かったんじゃないですかね。首相は99.9%の人の年金がプラスになる、と。0.1%はなんなのか、といえば、メチャクチャ年金もらう人。その人は目減りします、という言い方ですね。そういう流れの中で、知らない方が多い年金の基礎知識をぜひ学んでいただきたいなと思って、きょう、このネタを取り上げてさせてもらいました」

このあとは佐藤による、年金の基礎知識の解説が展開した。詳しくはradikoのタイムフリー機能で確認してほしい。

「長野智子アップデート」は毎週月曜午後3時30分~5時、火曜~金曜午後3時30分~5時35分、文化放送(FM91.6MHz、AM1134kHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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