
【水谷加奈の劇場型恋愛体質】ホラー 囁き男
文化放送メールマガジン(毎週金曜日配信)にて連載中のコラム「水谷加奈の劇場型恋愛体質」。水谷アナが、日々の生活で感じたことを心のままに綴ります。
―6月27日(金)配信分―
朝のラッシュ。たまに乗客同士の言い合いが聞こえてくることがあります。
「目の前のスマホがウザい」「リュックが邪魔なんだよ」
「いったん降りて他の客の通り道をつくれ」「足組んでるんじゃねえよ」など。
もっとおおらかに穏やかにやりましょうよと思うのですが、イライラする気持ちもわからないでもない…。
先日、肩と肩が触れ合う程度に混んだ電車内にて。ヒソヒソするような男性の声が後ろから聞こえてきました。
満員電車なので声を落としてしゃべっているんだろうくらいに思って最初は気にも止めなかったのですが、
な~んとなく違和感があって振り返ってみたところ…、
40代後半くらいの大柄な男性が、横にいる若い男の人に覆いかぶさるようにして彼の耳に顔を近づけて話しかけています。
「おい。おまえ、さっき●▽✕~▼オレにぶつかった◎〇…よな」
しかもその声はあくまでもウイスパー=ささやき声。
相手はイヤフォンをしてスマホを見ながら無視しています。
「おまえさぁ。無視してんじゃねえよ。▼★☆…ぶつかったよな。○◎謝れよ…★」
声を荒げるのではなく、囁きながら相手に威圧をかける姿がサイコっぽくて妙に怖い。相手が無視し続ける中、
「オレは▼▽★☆どこまでもお前を▽◆◇追っていくからな」
と…。まるでホラーのワンシーンです!私は浜松町で先に降りてしまったのでどうなったかは見届けられませんでした。
あの囁き男。どこまで彼の耳元で囁き続けたのか。どこまで追ったのか。
怒鳴るのではなく耳元で囁く。という新手の喧嘩の売り方に新鮮ささえ感じてしまいました。
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