
イラン・イスラエルの停戦合意に見る核拡散の可能性。青木氏「やっぱり核持ってないとやられちゃうんだ。というふうになる」
6月27日の「大竹まこと ゴールデンラジオ」(文化放送)では、朝日新聞の「トランプ氏、「広島・長崎」なぞらえ戦争終結発言」というニュースを紹介し、大竹や青木理がコメントした。
「80年、何も変わらぬ」憤る被爆者ら 大国の力の論理「論外」被団協・田中さん。
核開発をめぐって武力衝突に発展したイランとイスラエルとの間で成立した「停戦合意」。トランプ米大統領は「広島、長崎」を例に、米国による軍事介入が「戦争を終わらせた」と発言した。力による平和を誇示するような姿勢に、被爆者らは憤り、先行きを危ぶむ。
アメリカ軍が行ったイラン各施設への爆撃について、トランプ氏は25日「あの攻撃が戦争を終結させた。広島や長崎の例は使いたくはないが、あの戦争を終わらせた点で本質的に同じことだった」と主張した。
去年のノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会の田中熙巳代表員はこの発言を聞いて「論外だと思った。第二次世界大戦中当時のトルーマンアメリカ大統領は多数のアメリカ人兵士の命を救うためとして原爆投下を正当化した。だが広島長崎でおよそ21万人が亡くなり、助かった人も原爆症に苦しみ続けている。キノコ雲の下に目を向けることなく軍事力を誇示する姿は世界大戦から80年たっても何も変わっていない」と指摘する。
大竹まこと「これは昨日か一昨日もお伝えしましたけど、この情勢のまま沈静化していくとはちょっと私は素人だけど、思えないんですけどね」
青木理「各国の報道を見ていると、とりあえずイランもイスラエルの攻撃でかなり疲弊していたのと流石に超軍事大国でもあるアメリカとの全面衝突を回避したいという思惑があって、一応引っ込んだということになってますけど、わからないですよね」
大竹「この記事で気になるのがiaea(国際原子力機関)が懸念していたのは、ペルシャ湾に面したブシェール原発への攻撃だ。ここはロシアが輸出しイランで稼働する唯一の原発とされると。ここへの攻撃は書いてないんだけど、送電線が破壊されれば、原子炉を冷やせなくなり炉心溶融が起きかねない。ここの原発への攻撃は今んとこなかったっていうんだけども、それでも濃縮ウランのあるところを攻撃すれば、汚染の影響はあるよね。報道はされてないけども」
青木「基本的に、ロシアもウクライナでザポリージャでしたっけ?原発を占拠したりとかして批判があったんですけど、そもそも原発は、ジュネーブ条約で攻撃が禁じられてるんですよね。だから国際法違反なんですけど、大竹さんおっしゃるように核施設への攻撃は、トランプさん胸を張ってますけど、ものすごい危険な汚染とか、核放射性物質の拡散も危惧されるし、今回、ちょっと難しい話も含むんですけど、いわゆる核拡散防止条約、NPTが今の世界の核兵器を規定しているわけですよ。これがどういう条約かというと、五大国アメリカ・ロシア・中国・フランス・イギリスの五大国には核兵器持っていいですよと。ただしあなたたちも核軍縮努力してくださいという前提のもとで五大国だけに持たせて、それ以外は持っちゃいけませんよというのがそのNPT体制なわけですよ」
大竹「なるほど」
青木「イランも一応NPTに加盟しているわけですよ。ところがご存知の通り、イスラエルは非加盟で核兵器を事実上持ってるわけですよ。NPT非加盟で核兵器を持っているイスラエルがイランを攻撃し、しかも核兵器をNPT体制で持つことを許されているアメリカが攻撃をし。イランけしからん。核兵器開発してるじゃないかといって攻撃したなんてことが許されちゃったら、これ多分イランもそう思っただろうし、それからウクライナもそうかもしれないし、北朝鮮もそうですけど、やっぱり核持ってないとやられちゃうんだね。というふうに思いますよね」
大竹「そうですね」
青木「そうなってくるとそもそもNPT体制で核軍縮をすることを前提に核を持つことを許されているアメリカが核軍縮の努力もしないでNPTに加盟している国を核兵器開発者だろうといって攻撃するなんて許しちゃったら、弱い国はやっぱり核を持たなきゃダメだなということになったら核拡散が広がっていっちゃう」
大竹「逆に攻撃によって呼び水になっちゃう」
青木「そう。という意味でも、現地で放射性物質が飛散するっていう危険性もあるし、今後の核兵器の拡散がもっと広がっていきかねない意味での危険。両面やっぱあると思いますよね」
壇蜜「今まで核を持っていなかった国がやられちゃうんじゃないかと思って、開発したり、持ったりすることは可能なんですか?」
青木「今北朝鮮がそうですよね。北朝鮮は事実上核弾頭を持ってると言われていて」
壇蜜「それって簡単なこと?」
青木「いや、それはもちろん簡単なことではないですよ。技術的にもそうだし、開発をするとなると国際的にも孤立をしますから。全く簡単じゃないけれども、でも、イランもだから核開発をしたいんじゃないかと思われたわけですし、北朝鮮もアメリカにこれだけやられそうなっていたら、少なくとも彼らはアメリカにやられるかもしれないと思っていて、その危機感から核を持つ。貧者の兵器ですよね。持っているという意味で言えば北朝鮮なんかのケースは壇蜜さん心配していることが実際に動いているし、今回見たら北朝鮮やっぱり持っといてよかったなと思うんじゃないですか?じゃないとやられちゃうっていうふうに思っちゃいますもんね」
大竹「世界が行っちゃいけない方向に進んでる」
青木「本当おっしゃる通りだと思います」
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