なぜ都議選は参院選の指標になるのか

なぜ都議選は参院選の指標になるのか

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6月27日(金)、ニュースキャスター・長野智子がパーソナリティを務めるラジオ番組「長野智子アップデート」(文化放送・15時30分~17時)が放送。午後4時台「ニュースアップデート」のコーナーでは、「なぜ都議選は参院選の指標になるのか」というテーマで、ジャーナリストの鈴木哲夫氏に話を伺った。

鈴木哲夫「東京都議選というのはおそらく日本の選挙の中で一番特殊だと思うんですよ。とにかく異質というか。東京都議選ということは要するに地方選挙じゃないですか、都議会議員を選ぶんだから。県でいえば県議会議員選挙と同じですよね。地方選挙だから本来は東京都という地域・地方の政策テーマが議論されるべきだし、『都政をどうするべきか』とか『自分の住んでいるところに大きな道路を作るよ』とか『救急病院がないから救急病院を作るよ』とか、まさに地域のそこで暮らす人たちのそれが争点になるはずなんだけど、都議選っていうのはそこの構造が全然違っていて。それはなぜかっていうと、これはよく言われることで、東京は“無党派層”が多いです。日本で一番、無党派層が多いかもしれないね。この無党派層というのはやっぱりその時の風によって投票行動を変えていくじゃないですか。そうすると、その時に話題になっていること、これは国政・都政問わず、たとえば裏金事件なんていうのは関係あろうがなかろうが“政治とカネ”なんていうことを意識するとそれが投票行動になったりする。だから無党派層っていうのは割とその時の世論みたいなのを反映しやすい。で、『だから』ってそこで解説を止める人が多いんだけど、実はもっとポイントがあって。それはね、“流動人口”なんですよ」

長野智子「流動人口?」

鈴木「流動人口っていうのは何かっていうと、結局そこにずっと住んでるわけじゃなくて、入ってきて引越してって動いていくのが流動人口なんですよね」

長野「多いですよね、東京都はね」

鈴木「そうなんですよ。で、よく考えてみれば、たとえば企業の本社がいっぱいあるでしょ?大きい会社の本社って入社して定年までずっといます?入社して3年ぐらいしたら地方に転勤。転勤族って大体3年ぐらいじゃないですか。ということは、3年で住所が変わる人が結構いる。逆に、入ってきて入れ替わりがある。大学生は入学して卒業するまで4年でしょ?これは何が言いたいかっていうと、たとえば都議会議員の任期って4年じゃないですか。要するに、4年経ったらその人は(東京から)いなくなる。(転勤族は)3年経ったら引っ越す。そういう人たちに向かって『この町に病院持ってくるよ』とか『10年後には、ここにすごい道路ができるよ』って言ったって『いや、関係ないよ、引っ越すんだから』ってなりませんか?」

長野「なりますねぇ」

鈴木「そういう人たちは何を争点にするかっていうと、いまの中央のまさに政治全体を争点にするわけですよ」

長野「今回だったらやっぱり物価対策とかでしたよね」

鈴木「それから他にもいっぱいありますよ?コメとか関税とか安全保障かもしれない。それから石破政権が迷走していることかもしれない。野党が不信任を出さなかったことかもしれない。つまり地方選挙、地域の選挙なのに地方・地域の争点じゃなくて、そういう流動人口はもっと大きな政治全体で投票するわけです」

長野「わかる。それから出ていっちゃう人もいるし、新しく入ってきた人からすれば『これまでの4年間の総括』っていっても知らないわけですもんね。だからそれも票に反映しなくなっちゃうってことですもんね?」

鈴木「そういうこと。だから流動人口っていうのは非常にポイントなんですよね。いまはSNSなんかが入って選挙の土壌っていうのは変わってきてはいるけど、都議選っていうのはそういう傾向が出る。そうすると、まさにもうすぐ参議院選挙があると。今回の結果っていうのはそのまま国政とか政治全体に対しての投票行動ってことはピッタリ参議院選挙も同じって、こういうことになるわけですよ。だから今度の都議選のいろんな分析をして、じゃあ参議院選挙はどういう結果になるかってリンクしていくところが出てくると」

長野「そういうことですよねぇ」

「長野智子アップデート」は毎週月曜~金曜の午後3時30分~5時、文化放送
(FM91.6MHz、 AM1134kHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間
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