九州南部・九州北部・四国・中国・近畿 6月27日「梅雨明け発表」ほとんどが統計開始以来最も早い!なぜこんなに早い?

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6月27日午前11時、気象庁は九州南部・九州北部・四国・中国・近畿で「梅雨明けしたとみられる」と発表しました。
確定すれば、九州北部・四国・中国・近畿では、1951年の統計開始以来最も早い梅雨明け、九州南部は2番目に早い梅雨明けとなります。
気象庁会見室で、異常気象情報センター及川所長が記者の囲み取材に答えました。

及川所長によると「梅雨明け発表」の根拠は、西日本の週間天気予報をみると、この先晴れが続いていること(天気図を見ると、西日本を中心に太平洋高気圧に覆われて、晴れる日が続く見通し)です。

↓ 気象庁HPより

なぜ、こんなに早い梅雨明け発表となったのか…
①南アジアから東南アジアにかけて積乱雲の発生が多い

②そうなると海から熱を奪って上空で水蒸気や水に変わる時に熱を出して大気を温める

③上空の大気が温まるとアジア大陸の上のチベット高気圧を強める

④強まったチベット高気圧が日本付近に張り出し、中緯度を流れる偏西風(亜熱帯ジェット気流)を北に偏らせる

⑤偏西風(北の涼しい空気と熱帯の温かな空気の間を流れる)が北に偏ると、その南側は暖かい空気に覆われやすい
 今年は偏西風が北の真夏のような場所を流れている

⑥梅雨前線の位置はこの偏西風に連動して南北に移動するので、通常より早く北にシフトした

⑦さらに、フイリピン近海でも積乱雲の活動が活発で、太平洋高気圧を強め、日本付近は太平洋高気圧に覆われやすくなる

梅雨前線も不明瞭で、これが2~3週続きそうなので、このタイミングで梅雨明け発表をしたということです。
簡単にいうと「チベット高気圧と太平洋高気圧が強まり、例年より早く前線を北に押し上げたから」ということでしょうか。

6月中旬は季節外れの「猛暑」となりましたが、今後も同じような高温になり「異常気象」になる可能性もあります。
1ヵ月予報を見ると、気温が高く、降水量も少ない予想です。(気象庁HPより)
今すぐ渇水にはならないようですが、早くも「梅雨明け」とは、農作物への影響も懸念されます。

きょう28日も西日本から東日本にかけて19地点で35度以上の猛暑日となりました。
都心もは33.8度まで上がり、日差しが痛いほどでしたね。
引き続き熱中症には十分ご注意ください。

気象予報士 防災士 都庁・気象庁担当記者 伊藤佳子 





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