
畠中祐と芹澤優が“次の10年”を灯す。『エジソン』新パーソナリティインタビュー
アニメ・ゲーム・声優情報をたっぷりと届ける文化放送のA&G生ワイド番組『A&G TRIBAL RADIO エジソン』。2025年4月で放送10周年を迎え、これまで番組を支えてきた歴代パーソナリティたちのバトンを受け取り、畠中祐さんと芹澤優さんが新たにパーソナリティに就任しました。今回は、お二人が目指す新たな『エジソン』についてお話をうかがいました。
※こちらは文化放送のフリーマガジン「フクミミ」2025年8&9月号に掲載されたインタビューです。

「名誉」と「恩返し」。それぞれのスタートライン
── 『エジソン』の新パーソナリティに決まったとき、率直にどんなお気持ちでしたか?
畠中 とても名誉なことだなと思いました。僕の周囲にも昔の文化放送を知るスタッフさんがいて、四谷時代の話もよく聞いていたんです。そんな歴史ある放送局で、しかもラジオにおける醍醐味である生放送を担当できるなんて、本当にありがたいことだなと。プレッシャーもありましたが、「名誉だ!」と前向きな気持ちで引き受けました。
芹澤 私が初めて『エジソン』にゲスト出演させていただいたときは、声優としての知名度もあまりない頃でした。そのとき、当時のパーソナリティだった花江(夏樹)さんと日高(里菜)さんが、すごく丁寧に私のことを調べてくださって、温かく迎えてくれて。それが本当に嬉しくて、忘れられない経験なんですよね。だから、今度は私が迎える側になって、その温かさを恩返しとして伝えていけたらって思いました。
── 初回放送については、振り返ってみていかがでしたか?
畠中 いやもう、ど緊張でしたね(笑)。
芹澤 私もめちゃくちゃ緊張しました(笑)。とにかく「噛んじゃいけない」とか、「お名前を間違えないように」とか、始まる前は不安でいっぱいだったんですけど、終わったあとに「楽しかった」が勝っていたのがすごく印象的で。特に、「畠中さんでよかった」って思いました。
── それはどういった理由からですか?
芹澤 畠中さんって、全部拾ってくれるんです。私、ラジオでも結構動きながら喋るタイプなんですが、その動きを全部言葉にして拾い上げてくれたり。初回のゲストが仲村宗悟さんだったんですが、宗悟さんのお話も全部、熱を持って受け止めていて。
畠中 宗悟さんは普段から仲が良いだけに、ものすごく“攻め”の姿勢で来てくれたんですよね。その結果、かなりしっちゃかめっちゃかになりましたけど(笑)。でも、その混沌とした感じがすごく楽しかったし、自然と番組の空気感が出来上がっていくのを感じました。

「ほころび」から見える個性と、伝統の「包容力」
── お互いの印象について教えていただけますか?
畠中 実は、これまであんまり喋ったことがなかったんです。20代前半の頃にライブで会ったとき、すごく明るくて元気な人っていう印象だったんですけど、ちょっと緊張してた部分もあって。でも、実際に話してみると親近感が湧くというか、「そんなに遠い人間じゃない」感じがして、肩肘張らずにやっていけそうだなと感じました。
── その親近感はどこから来る感じなんでしょうか?
芹澤 不器用さ?(笑)。
畠中 そうかもしれない(笑)。
芹澤 畠中さんって嘘がないというか、その場で感じたままを伝えてくれるから、ゲストの方にもその気持ちがしっかり届いている気がします。だから、トークもどんどん広がっていくんです。その真っ直ぐさが、本当に魅力的だなと思います。
── 『エジソン』の10年間の歴史を受け継ぐにあたって、これからどんな番組にしていきたいですか?
畠中 歴代パーソナリティの方々が築いてきた『エジソン』は、情報番組としての精度が高く、その一方でゲストと自由に盛り上がる時間もあって。そんなメリハリのあるかっこよさが魅力だと思っています。たとえば、生放送が始まる3秒前の、パーソナリティの方の横顔がすごくかっこよかったのが印象的でした。そういうメリハリを大切にしながらも、僕たちらしい「とっちらかり方」も活かしていきたいなと思ってます。生放送だからこそ出てくる「ほころび」の中に本音が見えると思うんですよね。そこを自分たちの個性として大事にしていきたいです。
芹澤 私は、歴代の方たちの「包容力」が印象的でした。ゲストが安心して話せて、知らなかった魅力が引き出される。そんな空気感を私たちもつくっていきたいです。時には一緒にとっちらかることもあるけど(笑)、その中でもゲストさんが安心して飛び込めるような、そんなベースの部分をしっかり築いていきたいと思っています。

「繕えない」ことの怖さと面白さを楽しみながら
── お二人にとって、ラジオという場は他の仕事と比べてどんな違いや面白さがありますか?
畠中 役や歌だと、誰かの言葉や音楽に自分を乗せる感覚があるんです。でも、ラジオは完全に自分の言葉。うまく繕えないぶん、“人間”が出る。だからこそ、怖くもあるし、面白くもある。それがラジオの魅力だと思ってます。
芹澤 繕わない自分が出てくるという点では、「『エジソン』を聴いて芹澤優ちゃんのことを好きになりました」って言ってくれる人の“好き”って、本当に私の一番真ん中の、「リアル・セリコ」を好きって言ってくれるわけで。それは本当に特別なことだなって思います。
畠中 「リアル・セリコ」、いいですね(笑)。
芹澤 そこを受け止めてくれる人がいるから、頑張れるし、楽しめる。それがラジオの魅力かなって思っています。
── 最後に、今後に向けた抱負をお願いします。
芹澤 これまでアニメ文化に触れたことない人が『エジソン』を聴いて、面白いって感じてくれたら嬉しいですね。『エジソン』のパーソナリティである以上、私もアニメという文化にいつまでも夢中でいたいと思います。「このアニメ面白い!」とか「この作品、素敵だな」という純粋な思いを、リスナーの皆さんと一緒に楽しんでいきたいです!
畠中 本当にいろんなゲストの方が来て、しかも生放送で皆さんのもとに届くっていうのが、ものすごく怖くもある一方で、ワクワクもしますね。映像のない、音声だけで届ける番組だからこそ、本音で語れる部分もあったりするだろうし。生放送ならではの、本当に“生”な部分を一緒に共有できたらいいなと。ぜひ僕たちと一緒になって、ドキドキしながら楽しんでもらえたら嬉しいですね。

【番組概要】
『A&G TRIBAL RADIO エジソン』
放送日時:毎週土曜日 午後9時00分~午後11時00分(生放送)
パーソナリティ:畠中祐、芹澤優
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Profile
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2006年、ディズニーの一般公募オーディションに合格し、『ナルニア国物語』のエドマンド役の吹き替えでデビュー。代表作に『ウルトラマンZ(ウルトラマンゼットの声)』『SK∞ エスケーエイト(喜屋武暦)』『甲鉄城のカバネリ(生駒)』など。現在は声優以外にも、アーティスト活動なども行っている。
『プリパラシリーズ』の南みれぃ役をはじめ、『彼女、お借りします』の八重森みに役など、数々の人気作品のキャラクターを演じる。2019年、第13回声優アワードで助演女優賞を受賞。声優アイドルユニット「i☆Ris」(アイリス)のメンバーとしても活動中。
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