
娘の涙でスイッチ・オン。「日本一かっこいいトイレ清掃員」を目指す男の物語
大竹まことがパーソナリティを務める「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送・月曜日~金曜日13時~15時30分)、8月6日の放送に東京・奥多摩町で公衆トイレ清掃を行う株式会社オピト代表、大井朋幸が出演した。現在51歳で、6月に初の著書『ボクは日本一かっこいいトイレ清掃員』を発売した大井が、清掃の仕事を始めたきっかけ、仕事にかける思いを語った。
大竹まこと「(大井の経歴、妻子がいることなどを聴いて)いろいろあって、トイレに関わり始めたのは何歳ぐらい?」
大井朋幸「40ちょっとぐらい。9年ぐらい前ですかね」
大竹「最初は小菅村の温泉施設で風呂掃除のパートとして働いていた。でも円形脱毛症になって退職したと」
大井「(前職で)料理人をして腰を痛めた。温泉でも浸かりながらゆっくり仕事すれば、ということで温泉施設で働かせてもらって。風呂掃除からしていたんですけど、徐々にフロント、事務的なところを求められて。いつの間にか支配人という立場まで行きました。仕事も楽しかったし順風満帆だったんですけど。(その後の退職、円形脱毛症の治療について語る)」
水谷加奈「どういうきっかけで公衆トイレの仕事になるんですか?」
大井「1年間、家族に支えられて、どこにも出ずに引きこもって。でも(治療によって)白馬のような白い毛が生えてきて、だんだん自信がついてきた。いまもいる奥多摩町というところで、ゴミの収集業で人を募集しているよ、ということで面接に行った。そうしたらまた新規事業でトイレ清掃員をお願いされているから『やってくれませんか?』と。そこからのスタートですね」
大竹「トイレの掃除の仕事も始めた。でもそのとき小学校に通っていたお子さんがいじめられて、泣いて帰ってきたと」
大井「自分自身も潔癖症だったし、いまより8キロぐらい体重も落ちてしまうとか。汚物などを毎日、扱っていて。家族も『あなた、もう無理だよ。見る見るうちにやせているじゃん。また新しい仕事を見つけよう』と言ってくれた。そのとき小学1年生だったかな、娘が学校から涙を流して帰ってくる。どうしたのかと思って聞いたら『なんでパパはこんなトイレの掃除なんかしているんだ。みんな、汚いって言ってくるよ』と。実際、卑怯な僕は『これで辞める材料がそろった』『辞表を出して、明日辞めよう』」
大竹「うん」
大井「辞めよう……(と思った)ぐらいのときにパンッと、こめかみを撃ち抜かれるようなものが走ったんですね。スイッチが入ったというか。そこから『よし、俺、日本一かっこいい清掃員になる』『汚い、臭い、ダサい、怖い、かっこ悪い。そんなものすべて真逆に』と」
大竹「奥さんが『パパは奥多摩の町中をキレイにしているスーパーヒーローなんだ』と言ったんだね。それもきっかけになって。紆余曲折、お子さんのこともあって。いまでは『オピト』という会社を」
大井「奥多摩・ピカピカ・トイレットの頭文字でオピトです。勝手に僕がオピトと呼んでいただけなんですけど、今年4月に株式会社を設立しまして。いまは株式会社オピトとして活動しています」
水谷「オピトさんが奥多摩のトイレをキレイにしてくれていると?」
大井「奥多摩町に41ヶ所、観光用の公衆トイレがございまして。そのうちの約半分、23ヶ所を僕たちが責任をもって(掃除しています)」
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