最低賃金6%増、全都道府県で1000円以上へ。笑う人も困る人もいる

最低賃金6%増、全都道府県で1000円以上へ。笑う人も困る人もいる

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ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時30分~17時、火~金曜日15時30分~17時35分)、8月7日の放送に経済評論家の佐藤治彦が出演。最低賃金の改定による、時給の金額増に関して解説した。

鈴木敏夫(文化放送解説委員)「最低賃金の今年度の改定額の目安、6%にあたる63円のアップで決着しました。時給の全国平均は現在の1055円から1118円となり、現行の方式となった2002年度以降は上げ幅も時給も過去最高です。目安どおりに改定すればすべての都道府県で時給1000円を超える見通しとなります」

長野智子「過去最高の上げ幅です。評価はいかがですか?」

佐藤治彦「点数でいえば78点。石破さん自身は7.3%上げて(2020年代のうちに)1500円にしたい、という部分があったみたいですけど、関税問題もろもろあって、先行きがわからなくて、6%で決着した。最低賃金を決める委員会、厚生労働省の下にはあるんですけど独立性をある程度持っている、ということからこういう決着になった。ただ私はこういうニュースが出ると10年、20年、同じコメントしてきたんですよ」

長野「はい」

佐藤「何かというと、これでまた大都市圏と地方の賃金格差が広がりますね、というコメントです。今年はそうじゃないんですよ」

長野「そうですねえ。すべての都道府県で1000円を超えると」

佐藤「さらに最低賃金というのが大都市圏、埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪のA地域と、B地域という真ん中の部分、青森、岩手、秋田、山形、鳥取、高知、佐賀といったC地域の3つに分かれている」

長野「はい」

佐藤「いつも大都市圏がたとえば100円なららB地域は80円、C地域は60円と、上げ幅が大都市のほうが多い。今年はたった1円だけれど、本当の地方が64円、それ以外が63円と、一律なんです。これは何かというと地方創生というものが、やはり地方の人たちの生活が良くなることがいちばん大切だろう、と、そういうメッセージが出てきているのかな、と思うんです。ニュースでは6%アップと出ますけど」

長野「はい」

佐藤「たとえば高知県の場合、今回の案でいうと952円に64円アップとなって時給1016円になります。アップ率は6.72%。富山県の場合は998円が63円アップとなって1161円。6.31%のアップになるんです。従来は都市部のアップ金額が大きくて格差が広がっていたものを、そんなことしちゃいかんだろう、という大幅な賃金アップのやり方を見せた。目配りに関しては改善されたな、と思っていて」

長野「これは石破政権ならではの、地方創生が一丁目一番地ということで、そういうことなんですか?」

佐藤「そういう部分も多いと思います。ただ地方にとってみると、特に地方の中小零細企業は賃金を上げられると困る、という声がすごく多く出てくる。これから大変だとは思います。ただ、まずは最低賃金というものの位置づけを皆さんでもう1回、わかっていただきたいんですよ。最低賃金周辺で働かれている方は700万人とも1000万人ともいわれます」

長野「はい」

佐藤「特に地方の非正規の方々、最低賃金より10%以上高い賃金で働いている人は7割でしかない。つまり最低賃金からプラス10%以内で70%の人の給料が決まっていっている。これが上がる、ということは地方の人たち、非正規で働いている人たちの給与が上がる、ということで、とても重要なことだと思います」

「長野智子アップデート」は毎週月曜~金曜の午後3時30分~5時、文化放送(FM91.6MHz、 AM1134kHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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