「石破おろし」か続投か、そんなことばかり話題にしている場合ではない

「石破おろし」か続投か、そんなことばかり話題にしている場合ではない

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大竹まことがパーソナリティを務める「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送・月曜日~金曜日13時~15時30分)、8月27日の放送にネット放送局『ビデオニュース・ドットコム』主宰でジャーナリストの神保哲生が出演。いわゆる「石破おろし」が世間の話題となる中、自民党が抱える問題について解説した。

大竹まこと「(最近の『石破おろし』に関する話を聴いて)この大変なときにね。アメリカとの関税問題もあるし。今度の選挙(参議院選)だって最初は賃金をどう上げるか、そういうのが焦点だったはずですよ。それがいま自民党の中で石破おろしだ、そうでないとか、何しているんだ、と」

神保哲生「そのとおりなんです」

大竹「いまの経済状態を見れば、そんなところ見るより、市民側に向き直って、意見を取り込んで賃金を上げる、とかそういうことをしてほしいのに。総裁選やったり、いろいろなことをしたりで、タイムロスが生まれるだろう、と」

神保「タイムロスもそうだし、そもそもその争い自体が国民のいちばんの関心事、困っていることと直結していないんですね。逆に言うと自民党は、なぜ自分たちが負けたのか、国民民主党や参政党があれだけ議席を増やせたのか、ということがきちんと理解できていないというか、受け入れられていない、となる。一言でいえば自民党にずっと任せてきて、30年間、日本は成長できなかった。賃金も上がらなかった」

大竹「うん」

神保「ただこの間まではデフレだったので、賃金が上がらなくてもすぐに生活が苦しくはならなかった。いいことではないけど、自分のお金では買えない、生活できない、ということはあまりなかった。でもここに来てウクライナ戦争、その他、円安も含めてインフレ圧力がかかって。結果、賃金は上がってもそれより遥かに物価が上がってしまっている」

大竹「はい」

神保「生活水準を落とさないといけなくなる。だからデフレに依存して成長しなくてもよかった、賃金が上がらなくてもよかったところがいよいよ尻に火が付いた状態になった。いまの党内の路線争いみたいなことに、その話が出てこないわけです」

大竹「そうなんですよ」

神保「日本経済は30年間、ずっと失って有権者がいよいよ自民党を見放している、どうする、というところ。この番組に橋本健二さんが来られたそうで。その調査の中で1つのカテゴリー、彼はクラスターといいますけど、その中で新自由主義右翼というグループが、自民党の主に安倍さんを支えた岩盤支持層として存在する」

大竹「はい」

神保「一方で伝統保守というグループが、自民党の伝統的な地盤としてある。新自由主義は政策がかなりハッキリしているんですよ。基本的に規制を緩和して、ある程度の格差は仕方ないけど、勝つ人はどんどん勝ってくださいと。問題は伝統保守のほう。大企業を優先して、成長したら成長の果実を地方に、公共事業なんかを通じて分配していこう、というのがもともとの自民党の伝統保守です」

大竹「はい」

神保「でも大企業にそれだけの成長力がない、分配するための原資になるような税収もない。すると伝統保守を維持しないといけないけど、どのような経済政策をとって失われた30年から脱却するか、というところを打ち出さない限り、どっちになっても変わらない、と。一部の金持ちは新自由主義のほうがいいかもしれないけど、ほとんどの人はどっちが主導権をとってもこの先、しばらくひどい目に遭い続けるね、となって。おいしそうな話がぶら下がっていると、ほかの政党のほうに行く、ということが起きていると思います」

「大竹まこと ゴールデンラジオ」は午後1時~3時30分、文化放送(FM91.6MHz、AM1134kHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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