石破茂首相の辞任表明。いいところ以外が広がってしまった

石破茂首相の辞任表明。いいところ以外が広がってしまった

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ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時30分~17時、火~金曜日15時30分~17時35分)、9月8日の放送に政治ジャーナリストの角谷浩一が出演。石破茂首相が辞任を表明するに至った背景について解説した。

角谷浩一「(首相辞任の)大きなきっかけになったのは先週、ベテラン6人が総裁選の投票の是非を決める前に辞任すべきだ、ということを集まって話したこと。渡海紀三朗先生、遠藤利明さん、山口俊一さん……大ベテランですね。そこで、やはりこれではダメだと。最初のうちは石破さん、このままでもいいという空気が党内にもあったと思うんですよ」

長野智子「そうなんですね」

角谷「渡海さんたちをベテランと称すれば、その上に総理経験者の麻生さん、菅さん、岸田さんがいる。そこを長老としましょう。するとベテランも長老も、先が見えないまま進めば大変なことになる、ということはわかっている。参議院選挙の結果を見て、このあとすぐ選挙ができるとも思っていないことでしょう。勝てるかどうかわからないし」

長野「はい」

角谷「石破さんの言い分はなんだったか、ということを忖度すれば、私は少なくとも総理になってからの少数与党の中で、野党と個別に一本釣りしながら、いろいろまとめてきたと。このチャンネルが生きている、と。それは森山さんがやったんだけど(笑)」

長野「はい」

角谷「私たちがこの状況でなんとか手探りで野党と話し合うチャンネルがあることは大きいんじゃないか、と。それから、世論から選挙の結果とは別に『石破辞めるな』という声が上がってきたり、官邸に石破辞めるなコールをしに来る人たちがいたりする、と。自分には固有の評価をくれる国民がいる、ということがあった。ほかの人になったらそれ、できるんですか、というのを石破さん、自負していたと思うんですよ」

長野「両院議員総会のあと、森山さん、小野寺さん、木原さんらが辞意を表明して。その先、1人で続けるための計画みたいなものは石破さん、あったのでしょうか?」

角谷「そこまではない。『辞める』と言って自分が慰留するという気持ちだったんだろうけど、いくらなんでもそんな甘っちょろいプランで乗り切れると思っているのか、という空気になって。自分の責任よりも、政治とカネの問題があるとか、鶴保発言があったとか、そういうことを理由に出してきた総括もカチンと来た人がいると思う」

長野「うん……」

角谷「石破さんのいいところよりも、頭に来るところのほうが広がってしまった。次の総裁選を目論んで『ああして、こうして……』と計算している人もいるかもしれない。それは自民党内のことだからわからない。でも元の木阿弥の自民党になる、お金とポストが大事、というところに戻ってしまうでしょう?」

長野「はい」

角谷「たとえば石破さんは政務官副大臣に、高市さんを推した人を入れない、といった意地悪をした。それぐらいはしょうがない、と思う人が自民党は大半だけど、こうして追い込めるとなればそれを使う。挙党態勢で党がまとまるというのは、反主流派も復活してポストにありつける、という話です。党が割れるから挙党態勢をつくらないと、と。つまりイベント化する、総裁選を行うとワーワーやって最後はノーサイドだ、といって敵対していた人も『新しい内閣を一緒につくりましょう』『良かった良かった』となる。裏金の人も統一教会の(問題に関わった)人も復活するし、ということ」

長野「有権者はもう騙されない、という状況ですよね」

角谷「そこが乗り切れると思っているから自民党はダメなんですよ」

「長野智子アップデート」は平日午後3時30分~5時00分、文化放送(FM91.6MHz、AM1134kHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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