
自民党総裁選挙の雰囲気。昔ピリピリ、いまはフニャフニャ
ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時30分~17時、火~金曜日15時30分~17時35分)、9月22日の放送に政治ジャーナリストの角谷浩一が出演。この日に立候補者5名が告示された自民党総裁選挙について、以前との違いも含めて解説した。
長野智子「角谷さんは昭和、平成、令和とずっと政治の取材をされています。いまの自民党総裁選はどういう感情、視点でご覧になっていますか?」
角谷浩一「ゆる~い感じのイベント化してしまった、という感じ。(昔は)ピリピリ度が違いましたね。もちろんお金の使い方なんかも荒っぽいし、あまり咎められることもない。その代わりSNSなどで政治の裏側がオモテに出にくい時代でした。いまはどんどんわかるから、変なことができなくなった。でも当時はそこまで興味を持つ人たちがいなかったし、政治記者の人たちも、わかっているけど言わずに、という雰囲気があった」
長野「はい」
角谷「もちろん時代はどんどん変わってきたし、それじゃ通用しない、というところに政治の世界が来ているのは間違いない。細川政権、鳩山政権ができて自民党が下野する、というときに焦る。でも戻ればやりなおせる、と。下野したことが禊になってきた。でもいまは衆参で過半数でないのに、なぜいつもどおり威張っているの? という感じはします」
長野「今回、5人の候補者の顔ぶれにはどういう感想を持ちましたか?」
角谷「去年と同じ人たちだから、人材不足なのか、それとも総理にふさわしい人がこれ以上いないと思っているのか。それはわかりません。去年、出馬の構えを見せた人たちも今回、反応すらしませんでした。緊急だったからかというと、石破おろしが進んで、50日間もかかったんだから準備はできた。でもそうしなかった。たとえば出馬の準備をしていた河野太郎さん、上川陽子さんらも出馬しない宣言をした」
長野「はい」
角谷「そういう意味では小泉さんが最初、出馬するかどうか悩んでいたときと同じで、総裁にはなれても総理になれないかもしれない、と。首班指名が通らないかもしれない、というときに何も出ることはない、という人たちはいるかもしれません。それでも前回出たんだから今回も、という声はあったんだと思います」
長野「今回、出る人は『総裁になって、総理大臣になれないかもしれないけど、やってやろう』という思いを持った人たち?」
角谷「ちょっと違います。石破政権になって、自民党は変わりそうだ、ということに危機感を持った人たちが石破おろしをしたわけでしょう。高市さんを支援した人たちが内閣にほとんど入れない、安倍派の裏金議員の人たちが思うように活動再開できていない、など。こういうことがあると、このままではいつまでも俺たちは冷や飯だ、と」
長野「ああ……」
角谷「ところが勝てなくても総裁選をやることで、一致団結しよう、ここからはノーサイドで。そうなると立候補した人たちはだいたい入閣させるのがセオリーじゃないですか。こうして与党体制という名のもとにうやむやにしていく、というのが自民党のやり方だった。それだけの対立があったからですよ。でもいま大して対立なんかないんですよ」
長野「ほう」
角谷「この5人の政策、どこが違うか、よくわからないでしょう。積極財政派と財政規律派というのがいるみたいだけど、積極財政の話もそんなに強く出てこない。規律派が増税の構えを見せるはずもない。フニャフニャフニャ~、という感じです」
「長野智子アップデート」は平日午後3時30分~5時00分、文化放送(FM91.6MHz、AM1134kHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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