
カウンセリングは受けていい。カウンセラーは合わなかったら変えればいい
大竹まことがパーソナリティを務める「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送・月曜日~金曜日13時~15時30分)、9月24日の放送に臨床心理士の東畑開人が出演。近年の巻セリングの傾向や、カウンセラーの選び方などについて語った。
大竹まこと「今回の御本は『カウンセリングとは何か 変化するということ』。カウンセリングというのは昔と比べて増えているんですか?」
東畑開人「受ける機会は大きく広がっていると思います。職業に偏りはないんです。会社員の方も専門職の方も受けますし。いまは社会がけっこう孤独になっていますよね。共同体がいろいろなくなり、身内に相談みたいなことが難しくて。人に立ち入った話をするのが心配になるじゃないですか。そういう中で隙間を埋めるようにカウンセリングが広まっている、ということかなと思います」
大竹「アメリカなんかではカウンセリングを受けるのは当たり前、と伝わっています」
東畑「しかも普通の相談を受けずに『とにかくカウンセリングへ行きなよ』というぐらい。社会として冷たいといえば冷たいですよね」
水谷加奈「欧米で、夫婦でカウンセリングを受けるじゃないですか。私からすると信じられないんですよね。『この人(夫)の前でそんなこと言いたくないし』みたいな」
東畑「ああいうのはカップルセラピーといって、僕も受けます。2人で来よう、と思った時点で勝ちが決まっているというか。問題を解決するために一緒に行こう、となってしゃべる。一緒に帰る。『次までにこういうことを考えてきてください』と宿題を出す。すると家でも2人でしゃべる。2人で何かやる、ということ自体が回復にとってすごくいいんですよ」
大竹「資料には『少し前までは人生の問題に悩む人が多かった、でもいまは生活の問題で悩む人が多い』と書いてあります。そうなんですか?」
東畑「昔から生活の問題でも悩んでいるでしょうけど。『心』というとき、昔は『私とは何か』『自己実現とは何か』など、人生の大きな問題を考えることが多かったけれど、いまはそんなことの前に『明日、会社に行けるかどうか』など、目の前の生活をどうすれば可能にできるか、みたいなことが大きなトピックになっているな、と思います」
大竹「会社に行くのがきついとか」
東畑「それと外に出るのが怖い、人が怖い、とかですね」
大竹「東畑さん自身はそういう体験があったわけではない?」
東畑「それは、まあ。生きていると苦しい時期もありますから。本の最後にもあるように、カウンセラーになる訓練の一環でもありますけど、長いことカウンセリングを受けて、終わったときの話を最後に書いてもいます。やはり人に話を聴いてもらうって、すごく力があるな、と思ったんです」
大竹「カウンセラーをどう選ぶのか、という問題はあるよね」
東畑「それについても本に書いています。探し方は不動産の探し方に似ていて。家を借りるとき、ネットで情報を調べるじゃないですか。でも結局、行ってみないとわからないですよね。行ってみて、ここ合うな、合わないな、といって決めるのと同じで、カウンセラーも最終的には会ってみて合う、合わない、で決めないと仕方ないな、という気はします。見つかるまで確かに手間がかかる、というのはあると思います」
水谷「1回行って、違うな、と思ったらすぐに変えてもいいんですか?」
東畑「全然変えていいと思いますよ。不動産と同じことです」
「大竹まこと ゴールデンラジオ」は午後1時~3時30分、文化放送(FM91.6MHz、AM1134kHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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