
アメリカで分断がより深刻化。予見するようなロバート・レッドフォードの言葉があった
ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時30分~17時、火~金曜日15時30分~17時35分)、9月25日の放送に元・日刊スポーツ編集局長の久保勇人が出演。アメリカでの分断の深刻化を予見するようだったという、ロバート・レッドフォード(俳優、映画監督)の言葉について解説した。
鈴木敏夫(文化放送解説委員)「今月10日、保守系若手活動家の射殺事件によってアメリカの分断が一段と深刻になっています。トランプ大統領は左派やメディアなどへの圧力を強め、SNSでは『内戦』、シビル・ウォーといった言葉も急増しています。アメリカで何が、なぜ起きているのか。予見するようだったロバート・レッドフォードさんの言葉と一緒にお話をいただきます」
久保勇人「ロバート・レッドフォードさんも今月、亡くなられました。彼は環境活動家としての半面も持っていて、トランプさんをずっと批判し続けたんですね。批判の言葉もたくさん発し、その代表的なものが、この2週間、アメリカで起きていることを象徴しているところがあったので、紹介できればと思ったんですね。この2週間、アメリカが大変な状況になっていますよね。ご存じでしょうけど、長野さんはどういった印象を持ちますか?」
長野智子「トランプ大統領は、帝国にするんじゃないか、塗り替えよう、としているようなイメージがあります」
久保「内戦状態という言葉がアメリカの報道でもいっぱい出てきていますし、識者、専門家の方もそういう指摘を始めています。いままでもアメリカの分断は顕在化していましたけど、この事件とそれからの期間で起こったことによって底が抜けた、タガが外れたような状況になっていると思います」
長野「はい」
久保「状況を整理しておくと、射殺されたチャーリー・カークという方。若者の保守層を掘り起こしてトランプさんの再選に大きく貢献したんですね。追悼イベントに10万人も集まって、日本人が考える以上に存在の大きな人だったとわかります。犯行の動機はあまりはっきりしていない。ただトランプさんは事件の直後から『これは左派のせいだ』、暴力の大部分は左派によるものなんだ、と決めつけて政治的分断を煽るような言葉を繰り返した」
長野「はい」
久保「テロを政治的に利用しているといっても過言ではない状況です。(さらに最近のトランプ大統領、アメリカ国内に関して語る)」
長野「1人の大統領でこんなに国は変わるんですね」
久保「そしてロバート・レッドフォードさんの発言です。19年11月、トランプ大統領1期目のときNBCに対してこんな寄稿をしています。『私たちは生きている間に直面するとは思ってもみなかった危機に直面している。トランプ大統領による、この国のあらゆる理念に対する独裁者のような攻撃だ』『私たちはいまアメリカ合衆国、United States of Americaではなく、分断されたアメリカ、Divided States of Americaとなっているんだ』と。この19年は、バイデンさんが当選した大統領選の前年です」
長野「はい」
久保「『この船を正しい方向に導き、目の前の惨劇の行方を変えるチャンスが訪れる。(共和党と民主党)どちらの側にいても真実や人格や誠実さを備えた人に投票することを皆さんで誓いましょう。世界はいま、切実にリーダーを必要としています。アメリカはそのリーダーに戻りましょう』といったことを19年の段階で、自分の文章で寄稿しているんです」
長野「もう他人事でもないんですよね。世界中に広がっていますから」
久保「来年の中間選挙に向けて、アメリカの市民の方々がどのような選択をしていくのか、ということですね」
「長野智子アップデート」は毎週月曜~金曜の午後3時30分~5時、文化放送(FM91.6MHz、 AM1134kHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
※タイムフリーは1週間限定コンテンツです。
※他エリアの放送を聴くにはプレミアム会員になる必要があります。
関連記事
この記事の番組情報
