高市自民総裁 党人事を優先し物価高対策を議論
10月14日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、火曜コメンテーターで上武大学教授の田中秀臣氏と番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーが、高市早苗自民党総裁の人事方針や経済政策について意見を交わした。
財務省的な色彩を一掃する、とXで言っているのが戦略的
自民党の高市早苗総裁は、首相指名選挙を行う臨時国会の開催が遅れる中、物価高対策などの党内議論を進めるため、党人事を優先させる考えを示した。
通常は総理大臣が閣僚の顔ぶれを固めた後に、党の政務調査官や選対委員会などの人選に着手する。順序が入れ替わるのは異例だ。国会召集は当初予定の15~20日以降にずれ込んだ。
「“物価高対策などの党内議論を進めるため、党人事を優先させる”というこの動き。田中さん、これはどうご覧になりますか?」(寺島アナ)
「とても良いんじゃないですか? 実際に自分が総理大臣になるかどうか慎重に考えていて、まず党内の人事と意見を固めたうえで、新たな連立協議、あるいは政権を取った後の人事構想を考える順番になってもおかしくもなんともないです。むしろその方がいいと思います。自分の足元を固める、ってことですよ」(田中氏)
「周りを固めていくってことですね」(寺島アナ)
高市早苗氏は総裁に就任した10月4日に、各国会議員に得意分野についてのアンケートを送ったとして、全体像は適材適所の人事になると指摘している。「とにかく物価高対策など重要な議論を先にスタートさせたい一心だ」と強調した。
高市氏、物価高対策を最優先にする方針を掲げてきた。財源の裏付けとなる今年度の補正予算案の編成には1~2か月かかると言われている。
「補正予算が成立するのに1~2か月かかるということですが、どうご覧になりますか?」(寺島アナ)
「高市さんがどんなアイディアを策定の実務的に担う財務省に言っているのか? 従来から高市さんは“アイディア、方針は我々政治家が決めて、財務省さんは素晴らしい立案をしてくださると期待しております”というようなプレッシャーを財務省にかけています。財務省側は今、総裁選のときに議論されていた各候補の補正予算対策にほとんど違いが無いんです。大体のメニューは揃っているので、おそらく財務省は実務作業を進めていると思います。だからそんなにかからないと思います。例えば、いきなり“補正予算で消費減税します”とか“年収の壁の引き上げをやります”とかなら話は違ってきます。そこら辺は国民民主党や維新との連携もありますから、そこで大きく変わってくる話です」(田中氏)
こうした中、高市氏は税制調査会長に小野寺五典前政調会長が内定したことを明らかにした。今回の人事、総裁人事との従来の位置づけから、基本的に小林鷹之政調会長が会長案を考えて、高市氏が相談に乗り了解する形に変更した。
財務省出身の税の専門家だけで役員を固めるのではなく、国会議員たちが必要だと考える、税制の方向性を議論できる税制調査会だとした。
「SNS上で減税を阻むラスボスと言われてきた、旧大蔵省出身の宮沢洋一氏が税調会長を退任する方向です。田中さん、これはどうご覧になりますか?」(寺島アナ)
「高市さん、税調の人事についてX(旧Twitter)で方針をどう考えていたのか詳細な投稿をして、極めて大きな反響を呼びましたよね。こういったことは非常に異例ですよね。今まで自民党の政調会長の人事や税調の人事っていうのはどこで決まっているのかも方針も分からなかった。でも高市さんは“財務省をはずします”と言っているわけです。財務省的な色彩を一掃する、ということをXで言っているのが戦略的ですよね。自分が総理大臣になるかどうか、いま言うと与野党ともに色々と言う人がいると思いますが、それよりも足場を固めて自分の色を強く出して、国民が望んでいる“反財務省”“緊縮財政の否定”をこの人事で打ち出しました」(田中氏)
〈出典〉
高市自民総裁、党人事を優先し物価高などを議論-首相指名の遅れで | TBS NEWS DIG(https://newsdig.tbs.co.jp/articles/withbloomberg/2224809?display=1)
「おはよう寺ちゃん」は平日朝5~8時、文化放送(FM91.6MHz、AM1134kHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
※タイムフリーは1週間限定コンテンツです。
※他エリアの放送を聴くにはプレミアム会員になる必要があります。

