ファクトチェックされない情報が拡散されるSNS、逃げも隠れもできないラジオ

ファクトチェックされない情報が拡散されるSNS、逃げも隠れもできないラジオ

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ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時~17時、火~金曜日15時~17時35分)、11月17日の放送に政治ジャーナリストの角谷浩一が出演した。今年1月に死去した竹内英明元兵庫県議会議員への名誉毀損の疑いで、NHKから国民を守る党・党首の立花孝志容疑者が逮捕された件に関連し、「犬笛とラジオ」というテーマで語った。

角谷浩一「(竹内英明元兵庫県議の死去、立花孝志氏の逮捕について)根拠のない情報から物事がスタートして人が追い込まれて亡くなった、ということに関して、(斎藤元彦)兵庫県知事が何も言わないのもおかしい。それに『立花さんは悪くない。だって本当じゃん』ということのファクトの材料はあまり説明されない。立花さんが言っているから、という信頼だけで物事が決まっていく。というところに不安はあります」

長野智子「うん……」

角谷「政治の問題に関しては、意見を取り交わすのと情報を発信する、あるいはそれを切り抜いて商売する、ということ自体が政治の一次情報をゆがめたり、本当かどうかわからないけどネットで言っていた、ということで物事が拡散され、信じ込まれたりすると。ファクトチェックのないものが拡散されていいのか、と」

長野「立花氏は立花氏の名前で、顔も出しています。でもそのあとの展開。インプレッション数が増えるとお金になってくる、といった理由でそれを組み替えていろいろな人たちが載せる。ではどうしていくか。もう匿名性の限界を感じるんですね。プラットフォーマーもいろいろ対策をとるみたいなことをしているけど、もはや匿名性で暴言、誹謗中傷を行うということに表現の自由は当てはまるのか、と」

角谷「おっしゃるとおり。自分の発言に責任を持つと。また、『いいね』しただけで賛同したから犯罪かどうか、という議論については言い出したらキリがない。でもこれはプラットフォームの建て付けを変えるしかないと思うんですね。たとえばいくつかの国で、いくつかのプラットフォームを子供に見せない、と決めている。そこから起こる影響は何か、ネットで言っていたことがすべてのルールになることへの懸念だと思います」

長野「はい」

角谷「政治に関しては、もちろん多様な考え方や価値観がある。それをぶつけ合えるのは国会であり地方議会などの場です。それに対して有権者が意見を言うのも当たり前。でもそこだけ匿名で逃げていたら、俺は有権者だとか俺は何々だ、ということより、あなたは誰ですか、ということの意味のほうが大きくなる。(この日のテーマである)『犬笛とラジオ』、ラジオというのは、まず誰だかわからない人はなかなかいない」

長野「匿名性が難しいですね」

角谷「逃げも隠れもできない。ちゃんとしゃべる。それについては、できる限り一次情報に当たったり裏をとったりして意見を言う、考え方を述べると。もちろんニュースも確認されたものだけ流す。確認されていないことは言わない。そういうところがあるけど、少し耳にした、感じたことを全部発信するSNSはファクトチェックできていないんです」

長野「うん……」

角谷「でもネットで言っていたことのほうがマスゴミより信用できる、というのは、どこがどうそうなのか、という部分のご指摘を受けることは少なくて。どこがダメでしたかね、ということに関しては、なかなか整理しきれない、ということが多い」

長野「はい」

角谷「皆さんが『マスゴミ』と思うのはわからないでもない。でも一方、こちらはこちらで一応、その責任でやっている。その覚悟と、横から流れてきた話を拡散して『いいと思ったからやった』という気持ちとはだいぶ違うのでは、という気がするんですね」

「長野智子アップデート」は毎週月曜午後3時~5時、火曜~金曜午後3時~5時35分、文化放送(FM91.6MHz、AM1134kHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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