市長選の「くじ引き当選」から考える、1票の重さ

市長選の「くじ引き当選」から考える、1票の重さ

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ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時~17時、火~金曜日15時~17時35分)、11月20日の放送に元・日刊スポーツ編集局長の久保勇人が出演した。今月、茨城県神栖市の市長選で2人の得票数が並び、最終的にくじ引きに持ち込まれた、という報道に関して解説した。

鈴木敏夫(文化放送解説委員)「茨城県神栖市の市長選挙で得票数が同じとなり、くじ引きで当選者が決定。落選した候補が異議申し立て、ということで、すべての票を数え直すことになりました。まさに1票の重さを考えさせられる事例です」

長野智子「2000年のアメリカの大統領選挙を思い出した。アル・ゴアさんのね。手作業で確認するっていう」

久保勇人「神栖市は茨城県の自治体の中でも9番目の人口規模、中堅なんです。ここで起きたくじ引き決定。今月9日に投開票が行われ、ここに出馬した候補はいずれも無所属、現職の石田進さん、新人の木内敏之さんという方です。2人とも1万6724票」

長野「一緒って!」

久保「1万票以上で同数になるという、ちょっと考えられない事態が起きた。無効票は219票あったということです。公職選挙法は第95条で得票数が同じであるときは選挙会において選挙長がくじで定める、という規定がある。これが適用されることになって、9日の夜、さっそく開票会場でくじ引きが行われました。選挙管理委員の方に聞くと」

長野「ええ」

久保「まず両候補から届出があった立会人が1人ずつ来ました。それと選挙管理委員会として1人出して、3人が立会人となりました。じつはこの開票会場には、あらかじめ同数になることもゼロではないということで、くじ引きが用意されていたんです」

長野「そうなんですね。すごい」

久保「幸か不幸か、使わざるを得なくなったと。くじはプラスチックの棒の先に番号がついている。それを引くという。ではどのようにくじ引きが行われたか」

長野「はい」

久保「まず当選を決めるための本選のくじを引く順番を決める、予備選のくじがあるんです。くじを2回引くと。(さらにくじ引きの詳細を説明して)公選法上は木内さんが当選と決まったんですが、落選となった現職の石田さんが『もう1回チェックしてほしい』と。そういう制度はちゃんとあります。市選管としては要望を認めて、3万3667票を再点検しましょう、と。これが26日の朝から市民体育館で行われることになっています。開票作業は市民の方、メディアの皆さんに公開しながら1票ずつ確認する、ということです」

長野「はい」

久保「再点検の結果、また同数になる、もしくは今回当選した新人の人が多い場合は、そのまま当選となると。その場合、再び落選になった現職の方が、県選管に審査を求めることができるとのこと」

長野「審査とは?」

久保「もう一度チェックしてください、それが正当かどうか県選管として判断してください、という申し立てはできると。再点検の結果、くじで負けた側の票が多かった場合。これはちゃんと、選挙管理委員会の承認手続きを経て、今度は当選、となるわけです」

さらに久保が、他所での似た事例も挙げながら、1票の重さについて解説した。詳しくはradikoのタイムフリー機能で確認してほしい。

「長野智子アップデート」は毎週月曜午後3時~5時、火曜~金曜午後3時~5時35分、文化放送(FM91.6MHz、AM1134kHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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