利上げの是非は「適切に判断したい」。日銀・植田総裁の発言の真意を探る

利上げの是非は「適切に判断したい」。日銀・植田総裁の発言の真意を探る

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ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時~17時、火~金曜日15時~17時35分)、12月3日の放送に経済評論家の佐藤治彦が出演した。「経済の疑問点、諸々」をテーマに、様々な疑問に答えた。この記事では、日本銀行(日銀)・植田和男総裁による、利上げの是非についての発言に関する部分をピックアップする。

鈴木敏夫(文化放送解説委員)「日銀の植田総裁がおととい(12月1日)、名古屋で行われた地元の経済団体との懇談会で、利上げの是非について、今月18、19日に開催となる金融政策決定会合で『適切に判断したい』と。すると一気に円高、ドル安が進んで。株も一時1000円以上も下落、となりました」

佐藤治彦「植田総裁は政策決定会合で金利を0.25%、再び上げますということの露払いを始めたんだと思います。植田さんが日銀総裁になられて過去2回、利上げをしています。1回目が2024年7月末。このときは露払いをしなかったがために株価が大暴落したんだ、と。植田さんの責任にされたんですね」

長野智子「ああ……」

佐藤「令和のブラックマンデーというやつです。私は金利の上昇だけが理由とは思いませんけど、それがあったので、今年1月に追加利上げをする前は、植田さんだけじゃなくて副総裁やいろいろな人を使って、事前にマーケットに『上げるかもしれません』『上がるかもなあ』というのを流して。マーケットに金利の上昇を少しずつ織り込ませた」

長野「はい」

佐藤「今回も同じく、徐々にリークして、大きな株価の下げやショックを市場に与えないようにしたのがいまの状況なんです。いずれにせよ0.25%上げて政策金利を0.75%にしても、景気を冷やすのでも温めるのでもない、いわゆる中立金利にも及ばない。金融の緩和状況はまだ続いている、というのは間違いない。本格的に物価を抑える、円安を止める、ということになれば、この12月に金利を上げたとしてもそこでは収まらない、と」

長野「まだまだ及ばないんですね」

佐藤「中立金利ってだいたいどれぐらいか。一般的に、エコノミストによって違いますけど、最低でも1%、高い人だと2.5%ぐらいと言われます。なぜ2.5%かというと、政府の物価上昇の目標が2%なんです。2.5%ぐらいまでいかないと中立金利とはならないのでは、という人もいます」

長野「ずいぶんゆっくりですけど、どれだけ時間をかけるんでしょうね」

佐藤「金利を本来は10月に上げたかったはずなんです。でも予想外で高市総理になったので、植田さんは余計な軋轢を政権側と持ちたくないから、10月で上げるのを待って。先々週かな、植田さんと高市さんが初めて会って会談したじゃないですか。そのあとから発言がガラッと変わったんです。高市さんに『金利上げてもいい?』と直接聞いていないにしても、空気を呼んだと思います」

このほか佐藤が「伊東四朗 吉田照美 親父・熱愛」(文化放送)のリスナーの疑問に答えたり、マイナ保険証について解説したりした。詳しくはradikoのタイムフリー機能で確認してほしい。

「長野智子アップデート」は毎週月曜~金曜午後3時~5時、文化放送(FM91.6MHz、AM1134kHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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