“増税メガネ”の原因 所得増税検討へ「高市政権の積極財政に傷がつく」
12月5日(金) 寺島尚正アナウンサーがパーソナリティを務めるラジオ番組『おはよう寺ちゃん』(文化放送・月曜日~金曜日 午前5時00分~9時00分)が放送。金曜コメンテーターでクレディ・アグリコル証券チーフエコノミストの会田卓司氏と、所得税増税について意見を交わした。

高い支持率が下がってしまうリスクになる
寺島アナ「防衛費の増額のための財源として想定されている所得税の増税について、政府・与党は2027年から実施する方向で検討に入りました。国民からの反発も予想されますが、防衛力の裏付けとなる財源を安定させることを優先する考えだといいます。現行の安全保障関連3文書では、2027年度に防衛費をGDP比2%の規模まで引き上げることが決まっています。2022年に閣議決定した税制改正大綱は、そのための財源として、所得税、法人税、たばこ税を増税すると明記しました。このうち法人税、たばこ税は来年4月に増税を始めますが、所得増税はいつから実施するのか決まってはいませんでした。去年の年末の税制改正の議論でも、開始時期の決定を先送りしていました。所得税の増税、2027年から実施する方向というのが出てきましたが、会田さん、これはどう見ますか?」
会田「この防衛増税は岸田内閣のつまずきのもとになったものですね。“増税メガネ”と言われて支持率が大きく下がった原因でした。これまで先送りしてきたんですが、増税されるかもしれないと。問題は、GDP比2%まで防衛費を引き上げる背景として、この防衛増税があるということです。この2%を3%へ、さらに引き上げていこうという動きがあるわけですから、そうするとさらなる増税を引き出してしまう可能性がある。となると、防衛費のために本当に増税が必要なのかというところを、もう1回しっかり検討し直さなきゃいけない。もう全体が変わってるわけですから。ただ、そのまま増税を続けるという形になると、高市政権の積極財政に傷がつく。今、高い支持率が下がってしまうリスクになると考えられます」
寺島「今の世の中の雰囲気ってのは、減税の方の雰囲気の方が強いわけですよね。そこで増税なんて言うのは「はっ?」って言う感じがするんですよね」
会田「そのとおりだと思いますね」
寺島「となると、この辺りはもう1回見直す方向でいきそうなんでしょうかね」
会田「これは、わからないですね。もう12月に来てますから自民党の税制調査会がどう判断するのか。そこには当然ながら、増税をしたい方々も入ってるわけですから、ここはしっかりやらなきゃいけないとこですね」
「おはよう寺ちゃん」は平日朝5~9時、文化放送(FM91.6MHz、AM1134kHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
※タイムフリーは1週間限定コンテンツです。
※他エリアの放送を聴くにはプレミアム会員になる必要があります。

