森と街の多様性とサステナビリティ
様々な社会課題や未来予想に対してイノベーションをキーワードに経営学者・入山章栄さんが色々なジャンルのトップランナーたちとディスカッションする番組・文化放送「浜松町Innovation Culture Cafe」。
2025年12月8日,12月15日の浜松町Innovation Culture Cafeは、『森と街の多様性とサステナビリティ』をテーマに常連さんにカーマインワークス合同会社代表の深田昌則さんとお客様に一般社団法人more trees事務局長・水谷伸吉さんをお迎えしました。
入山:今回は、「森と町の多様性とサステナビリティ」についてお話ししていきます。深田さんに伺いますが、いろんな社会問題に取り組まれている中で、森の問題というのは、どういう風に考えていますか?
深田:地方に行くと森とか自然がたくさんあるんですけども、最近それを保全や管理する人がいなくなって、森が荒れていて、入るのも怖い森が多かったり、熊や鹿の問題があっているところ、他にも竹の問題があったり…
入山:竹の問題?
水谷:西日本なんか孟宗竹がたくさん生えすぎて、竹害というのがあって、地下を通じて、竹の根っこが増えていくので。
深田:切っても切っても増えてしまう。そうやって炭素を吸ってくれるような森がどんどん竹に侵食されてしまったり。
入山:二酸化炭素問題がで森が必要なのに、それができなくなるということですか。
深田:最終的にはそれが土砂崩れの問題につながって、地面が崩れたりとか。
入山:深田さんがおっしゃる「森が荒れる」というのは何をもって「森が荒れる」というのでしょうか?
深田:私「風の谷を創る」活動を「シン・ニホン」の著者・安宅さんと活動していますが、地域の価値をどうやって高めるかというところで、やはり食の価値とかコミュニティの価値とか色々あるんですけど、その中で、自然の価値というのがあると。ただ。実際地域に行ってみると必ずしも美しい森でなかったり、杉だけしかない単層林だったり。日本は多種多様な森があり、どんぐりがあったり、全体のバランスが取れていました。
入山:つまり、昔の日本の森は多様性(ダイバーシティ)が高くて、いろんな種類の木があった。そういう理解でよいですか?
水谷:あったはずです。日本列島は、南北長いですし、五百種類とも千種類とも言われる木があったと言われていますが、戦後に杉ばっかりになっちゃいました。
入山:なるほど。日本の社会と同じじゃないですか?同じようなジャパニーズサラリーマンが増えているように(笑)
水谷:大手町に行ったらみんな同じ格好して。
入山:ダークスーツを着て、メガネかけて、会社にいく。同じことが森で起きているんですね。
深田:本来美しいとされている森が、そんなに美しくなく、そこにさらに人間の手が入らないので、さっきの竹や雑草の問題によって、人間が容易に入れない森が増えて、全体としても美しくない。
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本日のお客様
深田昌則さん
1989年 松下電器産業に入社。AV機器の海外マーケティング、オリンピックプロジェクト・リーダー、パナソニック・カナダ市販責任者などを経て2016年より、未来のカデンをカタチにするパナソニック・アプライアンス社の活動「GameChangerCatapult」をスタート。2021年より、パナソニックを退社され合同会社カーマインワークスの立ち上げや、SUNDRED株式会社に参画、2023年より Future Food InstituteのJapan Local Executiveに就任するなど多方面で活躍。
水谷新吉さん
大学卒業後、株式会社クボタに入社し、環境プラント部門に従事。2003年にNPO団体に転職し、インドネシアで
熱帯雨林の再生に取り組む。2007年、坂本龍一さんの呼びかけによる森林保全団体「more trees」の立ち上げに伴い、活動に参画。以来、事務局長として日本各地での森づくり、国産材プロダクトのプロデュース、熱帯雨林の再生、カーボン・オフセットなど多彩な活動を手掛けている。
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浜松町の路地裏にひっそりと佇むカフェ「浜松町Innovation Culture Cafe」 経営学に詳しいマスターが営むこのお店には、様々なジャンルのクリエ…
